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Photo by
mikadukiart
空がレースに見えたなら(シロクマ文芸部)
月めくりをめくる夜は、満月の頃がふさわしい。
満月の夜。明るい月夜に、そっと音を立てずにめくるんだよ。
窓の外の草原には、長く伸びる木立の影。
そこからひょっこり出てきた3匹のカワウソが、手を繋いで踊るんだ。
おねがいだから、そうっとめくって。
けっして おとを たてないで。
ぼくはカワウソたちが大好きなものを知ってるよ。
空がレースに見える満月の夜には
3人の女の子がやってくる。
パジャマのまま、裸足で草原をかけてきて、カワウソたちに挨拶をする。
空がレースに見える夜、月灯りは湖を照らす。
きらきら光る湖のほとりは、月めくりをめくるのにふさわしい。
だから こんやは ぼくを
カワウソたちに あいに いかせて
カワウソたちが だいすきな
パンケーキをおみやげにするのだから
空がレースに見える満月の頃、湖のほとりを裸足で駆け回る。
草原に寝転んで月灯りの中、月めくりをめくるんだ。
そうっと、音は立てずに。
子供の頃大好きだった絵本「空がレースにみえるとき」を思い浮かべて書きました。