わがままをあなたに。
誕生日。
誕生日よ、絶対。
その日は私の好きな白百合を持ってきてね。1本で構わないから。
そしてあの場所へ行くの。
イビザ島。
遠い、だなんて。
いいじゃない、私の誕生日だもの。
私がイビザ島なんて言い出すのは
あなたのせいよ。
私が19のときにあなたがくれた香水。
「エスカーダのイビザヒッピー」。
あれをつけて、私は大人になったのだから。
それから。
二人で馬鹿みたいに飲んだウォッカ。
あれを空に撒いたらいい。
風に乗ってどこまでも飛んでいくの。
若い頃のくだらないいざこざも、
嫉妬も。
全部アルコールで飛ばして。
さあ。
それが済んだら、いよいよお別れの時。
夜の海で一番光るところを探して。
そこに私はいるでしょう。
私を認めて。
あと数秒だけ、愛して。
そうしたらあなたは、
また誰かと幸せになってね。
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