日記|chapterXX
毎朝同じ時間、同じ場所で二三分の会話をする相手がいる。私より一回り年上の女性だ。
この女性との会話はいたって平和で、言ってみれば癒しである。私は彼女の表情と声と眼差しに触れることで、毎朝穏やかに一日をスタートすることができている。とても有り難い。
一日二三分しか話せないから、会話の始まりはいつだって昨日の続きから始まり、別れの際には「つづく」で締める。
そんな彼女とのなんでもない日々の会話を記録する。
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〇 chapterXX
女性「いやあ、髪切りたくてね(ショートヘアを片手で撫で付けている)」
青豆「おはようございます。年末って美容院混むんですよね」
女性「そうそう。行きたい時に行けなくてさ。困っちゃって」
青豆「……それ、なんですか(女性が持っている緑色の封筒のこと)」
女性「これさ、Yさんに渡したいな、と思って。だけどなかなか会わないのよね。今日はいるかなーって、こう覗いてみるんだけど、ああ、今日もだめかあってね」
青豆「だから毎日持ってきてるんですか(LINEすればいいのに……)」
女性「そうなのよ。ポテトに……あぁ、いや、ポストに入れとけばいいんだろうけどさ」
青豆「(ポテトに爆笑)」
女性「あたしさ、言い間違え多いのよ。でさ、やっぱりYさんに直接説明したいからさ。LINEだと長くなっちゃうじゃない?」
青豆「(ポテトでまだ爆笑中」
女性「あーー。やっぱ今日も来ないかあ……。(目と鼻の先にあるYさんの家を見つめながらため息)」
つづく
前回は漢方のお話↓