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東野幸治さん、本当にごめんなさい。

大好きな芸能人に対し、とんでもない無礼をしてしまった話。

都内のベンチャー企業に勤務していた20代の頃のある日、営業部の同僚から単発の特殊な案件を受注しそうだという話を聞いた。
それは大手企業からの発注で、普段の納品物とは異なり、英語を喋れる人手が必要になるかもしれないとのことだった。

そして翌週、上司に呼ばれ前述の案件を受注した旨と新たなバイトを雇うことが伝えられ、その納品物とバイトの管理を命じられた。
その際、もうすでにバイトの面接は終えていてバイリンガル新人の採用が決まっていると言われ、簡単なプロフィールが載った書類を渡された。

当時の僕は人事の仕事を一部任されていた為、新人が入るとPCとデスクの手配をすることになっていたのだ。
いつも通り渡された書類に目を通し、エンジニアにPCを手配しようとしたところ、プロフィールの名前の欄になんとなく見知った文字が並んでいた。

【名前:東野 ●●】

…この名前は…もしかして…!?

僕は小さいころからバラエティ番組が好きで、特にダウンタウンさんや今田耕司さん、東野幸治さんが出ている番組をよく見ていた。
そしてそのWコージがMCをやっていた『やりすぎコージ』という番組内で、トークがセンシティブな内容に及んだ際に東野さんが「●●!TVを消してもう寝なさい!」といった具合に娘さんの名前を叫んだことがあった。
その時に叫んでいた名前と、上司から渡されたプロフィールの名前が、完全に一致していたのだ。

その他、お子さんに関するトークの断片的な記憶を思い返すと、おそらく自分と同世代であり、インターナショナルスクールに通っていたので英語が堪能である点も思い出した。
珍しい苗字で下の名前まで一致していて、年齢、バイリンガルなところまで同じなのであれば、今度来る新人バイトは東野幸治さんのお子さんで間違いない…と自分の中で勝手に結論付け、仕事にとりかかった。

しばらく自分は心の中で浮かれていた。
遠い存在である大好きな芸人さんと、少しだけ自分の人生が交わったのが嬉しかったのかもしれない。

数日後、とうとう新人バイトの女性が初出社する日がやって来た。
自分にとっては普段通りの出社なのだが、妙な高揚感があった。

オフィスに着き業務準備を進めていると「ヤナギさん、新しいバイトの方が来ました。」と受付対応した方から声掛けされたので、この時ドキドキしながら向かったのを覚えている。

受付に行くと一人の女性が立っていて、その顔を一目見て驚いた。

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