山田方谷さん - 週末の振り返り(2024年9月22日)

ここ最近影響を受けている方で、山田方谷さんという方がいます。1800年代、備中松山藩にいた方。藩の借金が現在の価格で600億ほどあったらしいのですが、それを6年で完済し、600億ほど貯蓄を積み上げた偉人。


松山藩が600億借金を背負った理由は下記3つ

・賄賂の横行
・藩民の生活が贅沢になっていた
・理財の外になって理財を考えるという治国の大方針の欠落

そのうえで、対応に向けた三段論法を打ち出した。
・財政状況の把握
・困窮した原因の把握
・どうすればそれが再建できるかを考え、実行

シンプルながら、どこの組織にも適応できる考えだと思います。まず現状を把握し、困っている原因を把握し、それらの対応策を考え実行。


具体的な策としては下記がある。

・治国のためにはまずは産業振興。高梁舟を活かし、南北の製品の交流を行う。 当時備前の開発可能な資源は山岳地帯だった。鉄山の開発を行い、農産の生産性を高めるクワ等の刃物の生産をはじめた。鉄の発掘や生産の技術者は出雲から招いた(ヘッドハンティング)。 名産品の奨励を行い、一般会計とは別の特別会計で予算を捻出した(長州藩からの学び)。

・浄財。不正が多かった藩札を廃止し、新札を用意する。換金する幕府のお金はなんとかかき集める。旧札は焼き捨てた。そのプロセスも大々的に告知し、見物人をつけた。偽札も幕府のお金と交換した。日本で一番信頼されている藩札になったことで、全国からの信頼が高まった。


個人的に印象的だったことは、誠実であるという考え。
「誠は天の道なり、誠ならんとするは人の道なり」という言葉を山田方谷さんは問いているのですが、1つエピソードがあります。

大阪の商人にお金を借りていたそうです。当日備中松山藩は5万石と謳っていた所、実際は2万石しかない。その事実を大阪の商人に伝え、このままのスケジュールでは返せないので10年〜50年返済にしてほしいと伝えた所、しっかりと素直に現状を伝えた心意気が気に入られ、商人といい関係となり、期間も延長できたという。誠実であることが、周りからの信頼を獲得し、道を開く素晴らしい話だなと思いました。

また、義を通すことで人がついてくるという話もありました。義を明らかにすれば、必ず利が伴ってやってくる ー義を立て、利を明らかにして、理財の道に進む。という言葉。

義を通す中で、板倉勝静は井伊直弼に寺社奉行を首にさせられたが、井伊直弼が暗殺された後、板倉勝静は寺社奉行に返り咲き、老中まで出世したという話。短期的な利を求めるのではなく、義を通すことで結果後で返ってくる話。

「大切なのは、民を幸福にするためにどういう治政という山を築くかということであって、その山に理財という一本の樹や一本の草を植えるというのは二の次だ。ところが現在は、まずはどういう木を植えるか、どういう草を植えるかということの方に夢中になって、どういう山を築くかということを忘れている。どういう山を築くかということは、義を明らかにすることであって、利をはかることではない。ところが利をはかることにばかり夢中になって、義を明らかにするような藩政改革がほとんどみられなくなっている。これはあまりにも事の外になって、対局を見つめる目がないからだ。」

これは会社に当てはめるなら、どのようにしたら関わるユーザーやクライアント、社内を幸せにできるかが最初にあるということ。それ抜きに利を優先したりしても、長くは続かなくなってしまう。


詳しくはこの本に書いてあるのですが、現代に通ずる教えが詰まっています。良ければ是非。


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