映画「わたしは光をにぎっている」の舞台へ
先日「わたしは光をにぎっている」という映画を見ました。昨年見た日本映画でダントツによくて、年始にもう一度新宿の武蔵野館で見に行きました。
友人の税所篤快くんから「絶対見に行ってほしい!」と言われた事がきっかけでした。
映画はとても心に残る内容ででした。
舞台は東京が中心。上京した主人公が、銭湯オーナーの家に居候し、東京という環境に慣れていく様が描かれている。再開発によってなくなって行く様子と、主人公の地元である、長野の野尻湖とのコントラストが美しかった。
描写一つ一つが美しく、背景音楽との組み合わせも素晴らしかったです。特に銭湯に手を入れるシーンは、「ああー」と声を漏らしてしまうほどでした。
主人公の表情はあまり見えず、人が客観的に、部屋や空間とともに映されている。その代わりに、体の動きで、その時の心情が伝わる。
主人公は街の変化に抗うのではなく、受け入れて生きていく。映画を見て、うちの会社と重なることだな、自分が向き合い続けたいことだな、そう思いました。
ただ資本主義の世の中である以上、変化は抗えない。その中で、そこにどう向き合っていくか、何に価値を見出していくかを考えさせられました。
世の中は時に無常だけれど、僕たちは選ぶことができる。
映画の舞台の立石へ
先日、映画の舞台である、立石に行ってきました。長崎で活躍している友人の森さんと一緒に。
せっかくなら面白い場所行きたいですね、と悩んだ結果、映画の舞台場所を思い出しました。京成立石は、浅草線で青砥に行く途中であります。
浅草から20分かからないぐらい。この映画を見るまで、のんべえのイメージしかなかったです。
立石商店街はほぼチェーン店で、ああよくある感じなのかなと思っていていたら、横道に怪しい雰囲気が放っているお店が並んでいて、引き寄せられながら歩きました。
一軒目は映画のポスターに惹かれて、江戸安という寿司屋へ。1200円くらいの上にぎりと東京の日本酒を飲んでお店を出ました。
二軒目禁止のお店
二軒目は鳥房へ。味がある外観はもちろん、なんだかいい匂いがしたんですね。
お酒で顔を赤くしながら扉を開けると
「あんた顔真っ赤じゃない!ご飯食べれないでしょ!食べれないならお断りだよ!二軒目は禁止!そういうお店なの!」
とお店の人からからいきなり言葉のパンチをもらいました。
少しひるみつつも、「いや、全然食べれますよ!」と無理に入っていって、若鶏の唐揚げ(時価)と鶏サラダを頼みました。お店には徹底されたルールがあり、荷物の置き方から、靴のいれ方まで指導されました。
お店の人が巨大な鳥を手際よく、箸でほぐしていく。食べ残したら本気で怒られそうだったので、皮も骨もしっかり食べました。うまい。これで650円は安い。
こういったお店も10年後、20年後なくなってしまうんだろうか。
帰り際に「よく食べたね!次は一軒目に来るんだよ!」と言われてお店を出ました。
都心じゃなかなか味わえない、人が生きているお店がこの街にはある。中川監督がなぜこの場所を選んだのか、少しわかった気がしました。
主題歌を聞きながら
映画の主題歌はカネコアヤノさんの「光の方へ」
初めて知ったアーティストだったのですが、ハマってしまい、ここ1ヶ月毎日のように聞いています。聞くたびのこの映画の哀愁と前向きさを思い出す。
映画も立石もおすすめです。映画は1月16日までの放映とのことで、なかなか時間がないですが、多くの人に行ってもらいたいです。
いつか会社で上映会をやれたらいいな。