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これからの地域には、インバウンドに特化したプロデューサー、編集者が必要
三豊市にいるMATCHA編集者の溝端さんが、個人のSlackのスレッドで連投する写真たち。東京から中々離れられない自分からするとテロ行為に近い。
MATCHAには今31名の社員がいて、そのうち2名は都内以外で仕事をしています。1人は熊本県、もう1人は香川県の三豊市。熊本に行っているのはタイ人のカオさんで、熊本県のタイ市場向けの誘客アドバイザーをしています。香川三豊市では、溝端さんが滞在型発信と称し、香川や三豊の海外向けの発信、観光戦略づくりを担っています。
2人から聞くのは、住んでみて、その地域に深く入らないと見えないものが多いということ。今後訪日客がが戻っていくことに向けて、これからの地域にはインバウンドに特化した編集者やプロデューサーが必要なのでは?ということについて書いてみます。
インバウンド観光のおける情報量の多さ
インバウンド観光に携わる仕事をして6年以上になったのですが、本当に奥が深い領域だなと感じています。日本に対しての理解、各国の旅行者の理解、WEBの周辺サービスの理解等、キャッチアップしなければいけないことが沢山あります。
日本人が伝えようと思ったことが必ずしも、海外の人が求めているものとは限らない。そして、日本人だけで成り立つものではない。ただ翻訳しただけのものは伝わらないですし、色んな罠が沢山あります。
インバウンドメディアがこの7年間に50以上生まれて、ほとんど成り立っていない理由の1つがここにあります。
地域の人との深い関係性が、より魅力的な発信につながる
自分自身いろんな地域に出張する中で、この地に何度も足を運ぶよりも、1年間や2年間住んで、四季折々の魅力を届けていくのが良いのではと思いました。やはり短い滞在での取材には限界がある。それよりもMATCHAの編集者が1年住んで、1年間けて発信したほうがいいのでは?その間に地域の翻訳の支援や観光戦略づくりに役立てたら、、そう思って生まれたのが「滞在型発信」です。
1人目で手を上げてくれたのが、編集者の溝端さんです。彼はもう三豊市にどっぷりはまってしまって、今2年目になってます。もう東京には戻れないんじゃないか。
活動が新聞にも。溝さんを見ていて思うのは、地域の人との関係性があるからこそ、より魅力的な発信ができる。しいては、より魅力的な観光体験を作れると思っています。
最近溝さんは、個人の活動で地域の人へのインタビューを始めました。それが本当に素敵なんですよね。溝さんを通じて、三豊の魅力が今まで以上に伝わってきています。
受け入れ体制が大事
熊本にいるカオさんが、口うるさく言う考えがあります。
どれだけ魅力的に発信をしても、受入側の整備ができていないとダメ。そうなると旅行者も満足できないし、地域の人にとってもよくない。
ほんと、その通りなんですよね。地域にインバウンドに詳しい編集者やプロデューサーがいることによって、このあたりに対して提言だけでなく、実行も共にできるようになります。
場合によっては、お店のメニューを全部翻訳したり、Google Translatorのアプリの使い方を教えて、海外の人が来ても対応できるようにしたり。多言語での看板対応なんかもそう。
戦略 ⇛ プランニング ⇛ 実行の話
カオさんが熊本県に行っている仕事の一つが、タイ市場誘客対策アドバイザー。これは何かというと、熊本県にタイ人が来てもらうためのアドバイザーです。
なぜタイ市場を目指すべきか?という戦略づくりのところから始めています。まずターゲットを決め、そこからタイ人にあったプランニング、実行サポートまでを担っています。熊本の観光のトップとタイに行くことも。
多くの地域が、そもそもインバウンドはなぜやるか?という目的がなかったり、明確なターゲットがなく、伝えたい場所や商品と発信だけ先走っていることが多いです。でも、当然ながら予算は限られているわけで、薄くばらまいても意味はない。
そういう意味で、中にしっかり入って、地域を理解した上で戦略を立てるプロデューサーの存在は重要です。
最後に
ちなみにこの記事を書くきっかけになったのは、全社員の2on1と上記の植松さんが書いた記事です。
先日、MATCHAの全社員と2on1の面談をしました。すると何人かのメンバーから、地方に移住しながらインバウンドに関わる仕事をしていきたいと言う声があったんですね。
MATCHAは元々そういった嗜好性の人が多くいる会社なのですが、インバウンドに関して知見があるメンバーが全国にいる状態というのは、会社の理想の形の1つなのではと思います。
現在複数の市役所に声をかけながらも、もし興味がある所があればと思い植松さんの記事をシェアします。ピンと来た方は、ぜひコメントかメッセをもらえると嬉しいです。
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