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価値観を規定するものとは?

どうも、あおきです。医学部でコミュニケーション教育と心理学教育を行っている研究者兼心理カウンセラーです。今日は「価値観と正義は人や視点、文化によってどのように違うのか?」というテーマについて考えてみたいと思います。

正義とは何か、価値観とは何か、それらがどこから生まれてくるのか。私たちは普段、自分の考えが当たり前のように思いがちですが、実はそれは生まれ育った環境や文化に強く影響されているものです。

価値観とは、物事の良し悪しや優先順位を決める基準のことを指します。

たとえば、「家族を大切にすることが最も重要だ」と考える人もいれば、「個人の自由が最も大事だ」と考える人もいます。この違いは、生まれ育った文化や社会の影響を受けています。

日本のように集団の調和を重視する文化では、「空気を読む」「和を乱さない」といった価値観が重視されやすく、対照的に欧米の個人主義的な文化では「自分の意見をはっきり伝える」「個人の権利を守る」といった価値観が強調されることが多いです。

価値観の違いは、人間関係や社会の仕組みにも影響を与えます。たとえば、日本では「みんなが頑張っているから、自分も努力するべきだ」と考える人が多いですが、アメリカでは「成功するためには、自分の努力次第だ」という考え方が一般的です。同じ「努力」という行動でも、その背景にある価値観が異なるため、評価のされ方も変わってきます。

では、正義とは何か?正義は、価値観をさらに社会的なルールとして位置づけたものとも言えます。つまり、「何が正しいのか?」という問いに対する答えが正義です。しかし、この正義も価値観と同じく、時代や文化によって大きく異なります。

たとえば、ある国では「自由な発言が正義」とされ、どんな意見も尊重されるべきだと考えられます。一方で、別の国では「社会の秩序を守ることが正義」とされ、過度な批判や対立を避けることが求められる。これはどちらが正しいという問題ではなく、それぞれの社会が何を重視するかによって生まれる違いです。

歴史を振り返ると、正義の基準は絶えず変化してきました。かつて正しいとされたことが、時代が変わると誤りだったと認識されることはよくあります。たとえば、昔は「身分制度」が当たり前とされていた社会が、今では「平等こそが正義」と考える社会になっているように。つまり、正義は固定されたものではなく、社会の変化とともに書き換えられていくものなのです。

このように、価値観と正義は、個人の経験や文化、社会の状況によって異なります。

では、私たちはどうすればいいのでしょうか?大切なのは、自分の価値観や正義を絶対視しないことです。自分にとっての「正しいこと」や「大事なこと」が、必ずしも他の人にとっても同じとは限りません。それを理解し、異なる視点を受け入れることが、多様な社会の中で生きていく上で重要になります。

私たちは、自分の考えに確信を持ちたいし、自分の正義を信じたいものです。でも、それが絶対ではないと知ることが、より広い視野を持つための第一歩なのかもしれません。

そういったことを意識するのはなかなかに難しいことではありますが、まず一歩はじめてみてもいいことなのかもしれません。

それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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