漫画感想:『ハロー、イノセント』37話 / 酒井まゆ
『ハロー、イノセント』第37話 / 酒井まゆ
りぼん2023年7月号
(※ネタバレあり)
雪のなか、行方のわからなくなった結以を必死に探す雪灯。
飯島に電話して結以の実家の住所を聞き出す。
飯島、「なぜ俺が結以ちゃんの実家の住所を調べたことあるのを知って…」ってうろたえてたけれど、たまたまっていうか、飯島なら知ってるかもしれないと望みをかけたんだと思う。
飯島、自白。正直でよろしい。
結以の実家に向かった雪灯は玄関で結以の母親と対面する。
心配するそぶりも見せない結以の母親から雪灯は衝撃の言葉を聞かされる。
そこで雪灯は結以のこれまでの数々のにおわせてきた言葉の真意を知る。
実の親に信じてもらえなかった結以の苦しみを知った雪灯は声をふるわせ、母親に感情をぶつける。
初対面の人に感情をぶつけるなんて雪灯には珍しい行動だけどそれだけ憤りを隠せなかったしそれだけ結以のことを大切に思ってるってことだよね。
「絶対見つける」と母親に啖呵を切ったものの、さすがに居場所までは見当がつかない雪灯。
とりあえずと乗った電車で、偶然に窓からとぼとぼと歩く結以の姿を発見する。
雪の降りしきる中、冬の冷たい川の中にじゃぶじゃぶと入っていく結以。
いやいやなにしてんのー!?(ムンクの絵文字)
そこへ間一髪助けに入った雪灯!!
「もうここでいーかなって」ってダメだよ! 雪灯と幸せになる未来を考えてよ!
結以の母親は再婚後幸せそうだった。
しかしその幸せの裏で養父の湊が結以にしていたことは………。
ワンシーンで結以が養父に何をされていたのかをにおわせるのはさすがベテラン作家の技ですね。
そのことを母親に打ち明けるも信じてもらえないどころか嘘つき呼ばわりされてしまった結以。
泣きながらこう話す結以に胸がギュッとなりました。
今まで誰にも言えなかった心の澱を雪灯には打ち明けられたんだね。
自分がいなくなればみんな幸せになれるという結以の思考の根底にはこういった根深い思い込みがあったんですね。
でも結以、ダメだよ。何度だって言うけれど結以も幸せになっていいんだよ。
泣きじゃくる結以を抱きしめながら雪灯はある提案をします。
いやいや、逃げてどうなるの!? 名桜はどうするのよ!? ばあちゃん亡くしたばかりで雪灯までいなくなったら名桜悲しむよ!?
でもこういう時、人が選ぶのは一番大切な人なんだろうなとも思ったり。
さて、2人は本当に逃げることを選ぶんでしょうか。
案外結以が言いそうだな、「名桜ちゃんはどうするんだ」「現実的じゃない」って。
個人的には2人で問題を解決する方を選んで欲しい。時には周りの力を借りながら。
湊がやったことの証拠があれば一番いいんですけどね。
案外結以の母親が証拠持ってるんじゃないかって思うのは楽観的すぎかな。
結以のスマホに送られてきた知らない番号からのSMSの送り主は実は結以の母親なんじゃないかと思ってる。
ところで余談ですが、前作の『群青リフレクション』も終盤は雪の降りしきるシーンでしたが、たまたまですかね?
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