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ADDressみなかみA邸で子連れワーケーション

※こちらに滞在したのは2023年5月の事です。

Addressという住まいのサブスクサービスを利用し始めた。
基本的には一軒家やシェアハウスなどに泊まるサービスだけど、一部JR東日本と提携したホテルにも宿泊可能。

一軒家に泊まってシェアハウスのように過ごすのも楽しいけど、気疲れしてしまうときはやはりホテルがいい。というわけで、移住先としても人気の群馬のみなかみにあるファミリーオみなかみに2泊3日で子連れワーケーションをすることに。

東京駅から新幹線で約1時間程度。温泉地でもあるみなかみは初めての群馬県滞在でもあるのでとても楽しみ!    

《DAY1》

今回宿泊するファミリーオみなかみは、たくみの里という道の駅の中にある。
道の駅の中にある?としばし頭の中にハテナマークが浮かんだが、どうやら住民がその家に住みつつ体験工房をやっている巨大な里山テーマパークがたくみの里という場所らしい。  
訪れてみると、なるほどよくわかる。町全体が観光地化した住宅地で、のんびりとした空気がそこに流れているのだ。

今回のワーケーションは2泊3日と泊数が多くないため、荷物は少なめ。ボストンバックをやめて、大きいリュックに娘と私の着替えを詰める。  
新しく買ったばかりのパソコンは軽量タイプなので持ち運びが楽に。今回はひたすらのんびりすると決めている。ホテルで温泉に入り、散歩して、ご飯を食べて、仕事をする予定。    

新幹線に乗る予定の東京駅で、私は駅弁屋を探していた。
新幹線で駅弁が食べたいわけではなかったけど、目的は、そこでしか買えないお目当ての駅弁を買うこと。  
ネットで見かけた、岡山駅のカービィの駅弁が欲しい。  
カービィが大好きな息子(小5)のために、私は東京駅に早くついてふらふらと駅弁屋を探すことにした。  
いつもは素通りしている駅弁屋が、ここに行きたいと目的地になったとたんにどこにあるか判らなくなるのは私だけだろうか…。  


結局、いつも横目で見ながら改札をくぐっていた場所にその駅弁は鎮座していた。  
と、その横に以前TVで見かけて気になっていた神戸・淡路屋の駅弁がある!やばい、めちゃめちゃ欲しい。  
迷った挙句、定番のすき焼きのコンテナではなく、緑色の明石の鯛めし弁当を買った。    


今回の旅の予算は、5万円以内で余裕で収まる計算。
宿泊代はAddressの月額1万円プランで2泊分。子どもは無料なのがうれしい。それ以外に使うのは最寄りの上毛高原駅までの新幹線代(5,490円)往復とバス代、現地の食事代くらい。  
と思うと普段買わない駅弁を2つも買ってしまうくらい許される?ちなみに、娘は偏食かつ小食なので、駅弁はほぼ手つかずになる予定。  

新幹線のチケットを予約していなかったので、一番早い自由席のチケットをその場で購入し、新潟行きのとき号に乗りこむ。車内販売でアイスが売っていなかったら嫌なので直前でキオスクに寄ってスジャータのアイスクリームを買う。新幹線に乗るときは反射的に買ってしまう。  
ちなみに子連れワーケーションは基本的に自由席のチケットを買う。指定席だと、自由に席を変えられない。  
子どもの様子や前後左右の乗客にあわせて移動したい新幹線内ノマドは自由席一択なのである。東京駅は始発なので、だいたい自由席も座れる。

いつもは東海道新幹線が多いから、右側の席で富士山を見るのが楽しみだが、今回は左側。少し小さめだが、裏側からの富士山も美しい。  ゆっくり車窓が田園風景になっていくのを見届けつつ、大宮あたりで行きしなに買ったお弁当を開ける。案の定、娘はお弁当箱の「箱」に夢中で中身には目もくれない。無理してほとんど食べたが、あとで 「取っておけば良かった~」 と少し後悔するのである。    


東京駅から1時間少しであっという間に目的地の「上毛高原」に着いた。
着いた瞬間、広々とした天井の高いホームと窓の外に見える山々の美しい景色に一瞬で目を奪われた。  
東京から1時間の場所にこんな景色があるなんて!  
まさに高原、と言わんばかりのさわやかな空気が吹き抜け、あっという間にこの場所が好きになった。  
上毛高原駅からはバスでたくみの里に向かう。レンタカーを使わない(使えない)子連れワーケーションは、事前にその場所のアクセス方法をリサーチする必要がある。バスが通っていたら万々歳。どうしてもの時はタクシーを使うけど、頻繁に使っていたら予算オーバーになってしまう。  

バスに乗り「たくみの里」バス停までは20分程度。バスは、その土地に住む人たちも使う路線だから、現地の空気が感じられるのがいい。  
バスの路線図を見ていたら、たくみの里の前後に湯宿温泉というバス停があることに気づいた。もし、温泉街だったら3日間のうちに行ってみよう。


「たくみの里」に着いたとたん、可愛いトトロの森にありそうな藁のバスがお出迎え。
そうそう、東京駅でトトロのガチャガチャを娘のためにやったのだ。思わず一緒に写真を撮る。  
たくみの里ではわらアート祭りという展示を行っていて、巨大な恐竜やアマビエなど個性的なアートがお出迎えしてくれた。

たくみの里に着いたのは14時過ぎ。ホテルのチェックインまでは少し時間があるので周辺を散策することに。  
ところが、というか、だいたいよくあることなのだが、土日メインの観光地は平日は休みの施設も多いのである。たくみの里も例にもれずほとんどが休館だった。  
かろうじて開いているお豆腐屋さんや道の駅で買い食いしたり、娘のおやつを調達したり、銀行からの電話を受けたりしていたらあっという間にチェックインの時間になった。  



たくみの里のバス停から徒歩15分くらいの場所に今日の宿「ファミリーオみなかみ」がある。入り口では可愛いうさぎの「ムギちゃん」(本物)がお出迎えしてくれた。  
宿に着いてチェックインし、夕食の事を聞く。レストランがあれば夕食はそこで済まそうかと思っていたが、規約をよく読んでいなかったので夕食は予約制ということを知った。
お弁当、ひとつ残しておけばよかった…と後悔したが、簡単な定食なら出してくれるという。ホテルの方の機転が素晴らしい!
こじんまりとした小さなホテルだからこその暖かさ。その日の夕食と、次の日の朝食(1,700円)夕食(2,700円)も予約した。
夕食はコース料理らしいが、今日は定食しか用意できないので1,600円で生姜焼きを用意してくれると言う。どこまでも優しい。ちなみに娘は偏食なので基本とりわけである。さすがに次の日の夕食はお子様ランチ(1,700円)を追加した。モリモリ、とは言わずとも人並みに食べる子なら喜んで払うが、ほとんど場所代みたいなものである。    




ホテルの部屋はツインベッドで、広すぎるくらいのゆとりある部屋だった。そして靴を脱いで上がるタイプの部屋で、子どもと泊まるときはこんな部屋だと本当にありがたい。窓の外は田園が広がり、おじいさんがちょうど稲を植えているところだった。  

とりあえず移動の疲れをベッドでゴロゴロ癒しながら、通りがかりに見た湯宿温泉のことを調べる。
みなかみは移住者やワーケーションをする人にやさしい街で有名で、知り合いが移住ハンドブックの表紙を書いている。そのハンドブックを眺めながら、知り合いに湯宿温泉について連絡を取ると、みなかみに移住してどうやらすごく近くに住んでいるらしい。  

湯宿温泉には共同浴場があるけど今はコロナで住民しか使えないこと、旅館では日帰り温泉をやっていることを教えてもらい、明日のプランがなんとなく決まった。
窓の近くのテーブルにパソコンを広げ、広々としたソファに腰かけて仕事をする。目の前に広がる景色が眼福すぎる…。  
夕飯の時間まで仕事をして、少し周辺を散策。のんびりとした田舎道を娘と歩く。遠くに見える遊園地のような場所は何だろう?駒形岩も綺麗に見える。娘は石を拾ったり、たんぽぽの綿毛を吹くのに夢中だ。子連れワーケーションは、いつもより時間がゆっくり流れる。普段は見過ごしてしまう娘の成長もよくわかる気がする。  




18時半にレストランへ。客は私たちと、あと2組。常連さんのようだった。ほかに、外で合宿なのかBBQを楽しむ団体さんも。レストランの女性スタッフさんが皆娘を可愛がってくれて、お客さんにもちょっかいをかける娘だったが、皆優しくかまってくれた。ホテルの人が優しいところは一気にファンになってしまう。  
夕飯を終え、ホテルの中の温泉へ。小さめだけど、湯加減がベストすぎるくらい気持ちの良いお風呂だった。そして当然のように貸し切りだ。滞在中にいっぱい入ろう。  

ホテルで販売していた飲むヨーグルトを買って、マッサージチェアでくつろぎ、寝るまで仕事タイム。  
夜のお楽しみはやっぱり星空!満点の星空とカエルの声に田舎の祖母の家を思い出し、コロナでもう4年も帰っていないことを少し寂しく思う。  

子連れワーケーションが普段の旅と違うのは、お酒を飲まないことかもしれない。まぁ、普段もそこまで飲まないが、ひとりで出張に行っていたときは夜はひとりバーで一杯…などしていた時もあった。今は、基本夕飯はホテルで済ませたいし、部屋で子どもとゆっくりしたい。  
子どもとお菓子をつまみながらテレビを見る時間が至福の時間になってしまった。安上がりの幸せで良い。  
この日は仕事に熱中しすぎて結局夜中までパソコンをたたいていた。カエルの鳴き声がほどよく集中できたのかもしれない…。  

《DAY2》

翌朝は朝食前に朝風呂へ。朝のさわやかな温泉もすがすがしい。さっぱりして朝食を済ませ、レンタサイクルを借りて周辺をぐるっと回ることにした。お昼はたくみの里で目をつけていた定食屋で食べたいし、バスに乗って湯宿温泉まで行く計画なのでバスの時間も逆算して、1時間くらいは回れそう。 子ども乗せ自転車に娘を乗せて、昨日見つけた遊園地みたいな場所に行ってみることにする。  

着いてびっくり、遊園地ではなく、馬がいた。馬の遊具もたくさんあった。観光地ではなく個人で馬を飼育しているそうだ。個人で!?  
運営のおじさんが手作りしたという馬の遊具は、ブランコやメリーゴーランド、神社(?)まであった。 「遊んでいいよ」との声に娘は大喜びだ。しばし遊ばせてもらうと、今度は飼っているポニーの「いちご」ちゃんを連れてきてくれて、お散歩したりブラッシングをしたり、背中に乗せてもらった。
最終的にはおじさん手作りの昔懐かしぽこニャンをモチーフにした車…農耕機…なのだろうか、に乗せてもらい、充実すぎる時間を過ごした。  駒形岩の由来や歴史も教えてもらい、あっという間に1時間が過ぎた。次はパパも一緒に来てね、と約束して。  


ホテルに戻り、お昼ご飯を食べにたくみの里へ。
『山雨堂』という古民家を改装したような食堂でご飯を食べる。野菜がたっぷりのおばんざい膳(1,500円)はとてもやさしい味わい。店内は薪ストーブがあり、冬になったら使うのかな。  




ご飯後は、バスが来る時間までたくみの里内をのんびり散歩。くるみの家で、可愛い木彫りの象さんを買う。入り口近くで手作りの梅干しが売っていたのでそれも購入。地元の人が作った加工品は、そこでしか買えないので自分用のお土産に買っておきたい。
娘は道に落ちている赤い実拾いや小さな石拾いに夢中。次々に手渡してくる。のんびりとした時間が流れている。  

 

周辺を散策し、あっという間にバスが来る時間に。
今日はひとつ先のバス停『湯宿温泉』へ。小さな湯地場で、共同浴場などが点在している。今はコロナで一般客は入れず、温泉旅館の日替わり温泉のひとつに入ることに。燕がたくさん巣を作っている家があり、大興奮。  
合間にスマホでオンラインミーティングをしながら娘を河原で遊ばせる。春の陽気はポカポカしすぎて暑いくらい。程よく汗もかき、念願の温泉へ!
事前にみなかみに住む知り合いに聞いて教えてもらった『金田屋』さんへ。


平日だったので日帰り温泉は私たちのほかに一組先客がいたくらい。でも、小さな温泉場なので5名ほど入ればきゅうきゅうになりそう。湯の花が見られ、飲泉もできる温泉。お湯加減もちょうどよく、最高だった。  
汗を流してまたバスに乗り、たくみの里に戻る。小腹も空いたし、たくみの里でご飯を食べるチャンスはもう今日が最後かもしれないので、バス停前の『香りの家』でソバと卵かけご飯を食べる。(看板の「卵かけご飯」の文字に惹かれた…)観光地で食べるご飯はなんでこんなにおいしく感じるのだろう。みなかみはお水がきれいだから蕎麦のお店もとても多かった。    


ホテルに戻り、時刻は16時。夕食までまだまだ時間がたっぷりある。パソコンを開き、仕事をし、疲れたら散歩をして、温泉に入り、また仕事に戻る。そうしているうちに夕食の時間。  
夕食までの3時間少しで、理想の働き方ルートを完全に攻略した気になった。温泉宿でのワーケーション、最高にはかどるし幸福みがすごい。ちなみにワーケーション中、娘はYOUTUBEを見ているか、お絵描きをしているか、ベッドをぴょんぴょん跳ねている。長年の子連れ出勤、家でも仕事漬けの母を見ている子どもたちは、3人ともすっかり一人遊びの達人だ。
 
夕食はホテルに頼んでおいたので、レストランでカジュアルな懐石料理を。娘は特別にお子様ランチを作ってもらったが、出たラインナップを見てだいたいポテトとから揚げだけ食べてくれたら御の字かな…というラインナップだった(さすがに連日子どもの食事を頼まないのは気が引けるので、場所代だ)料理はどれも美味しくて、スタッフの方も同席したお客さんもとても温かく、娘のちょっかいにいやな顔をせず対応してくれた。
常連さんがたくさん来る宿みたいだ。行きつけにしたくなる気持ち、わかるよ!と心の中で同意した。  


食事を済ませ、また温泉に入り、部屋へ戻る。
残りの時間は娘を寝かせながらもう少し仕事をする。熱中しすぎて、外のカエルの合唱も心地よく気づくと昨日に引き続きこの日も夜中までパソコンに向かっていた。

《DAY3》

3日目の最終日は早めにホテルを後にし、上毛高原駅へ。
せっかく群馬に来たので今日は行ってみたかった『こんにゃくパーク』へ足を延ばすことにした。
電車を調べてみると、高崎まで行ってから上信電鉄を乗り継ぎ、上州福島という駅で降りてタクシーが一番最適ルートのようだ。
車社会の県は、観光地も駅から遠いことが多い。
ひとりなら歩けない距離でもないけど、子連れだとやはりタクシーが望ましい。  




タクシーが来るまで20分ほど待ち、『こんにゃくパーク』へ到着。
噂には聞いていたけど想像以上に施設が大きかった。園内には足湯があったり、遊具があり、工場見学のほかにこんにゃくだらけのUFOキャッチャーや直売所やこんにゃくソフトを売っているお店がある。
そして何といっても目玉は無料のこんにゃくバイキングではないだろうか。偏食の4歳の娘も、こんにゃくラーメンやこんにゃくのから揚げは進んで食べていた。  


こんにゃくパークでは1時間半ほど滞在したが、次の行き先を考えあぐねていた。富岡製糸場に行くか、めんたいパークに行くか…。
時間的に、どちらかぎりぎりになりそうだ。
熟考した結果、さらにタクシーに課金し、時短を選んでまず富岡製糸場へ。富岡製糸場のほうへ先に向かい、そこから徒歩で駅に向かって電車に乗れば、めんたいパークには30分ほど入れる算段だ。私は旅行は時間の許す限りいろんなところを見て回りたいタイプでもある。  


富岡製糸場は40分ほど回るツアーがあったので、それに申し込んだ。
世界遺産というだけあって、重厚で歴史が感じられる建物だった。お蚕さんの名前で親しまれている、日本には欠かせなかった養蚕と日本の技術。子どもは少々退屈な場所だと思うが行ってよかった。    
ツアーを終え、やや早足で駅へ。ベビーカーで娘は就寝。駅までの道に焼きまんじゅうのお店があったので買っていく。  
電車の待ち時間の間に食べてみたら、見た目のわりに重くなく、優しい味でペロッと食べられた。  




上信鉄道で数駅先に『めんたいパーク』の最寄り駅に到着。  
閉園30分前に何とか間に合った。そこまでして行きたいか!と突っ込みが入りそうだけど、たまにこういう無茶をしてでも行ったという達成感が残るので、迷ったら行ったほうが公開しないタイプだ。(昨年、茨城のめんたいパークを時間の関係で断念したという事もあり、リベンジも兼ねている)  


30分前でもキッズコーナーや物販はにぎわっていた。
閉園時間までしっかり遊び、大満足。高崎駅まで着けば、もう距離的には普段のお出かけとあまり変わらないくらいの移動圏だ。帰りはJR線でのんびり帰ることにした。  

3日間、ほぼホテル周辺で温泉ばかり入っていたけど、何もしないワーケーションはとても贅沢だ。みなかみは移住者やワーケーションをする人も積極的に受け入れていて、非常にフレンドリーな町だった。  心を休養しに、定期的に行きたい場所になった。


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