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俺たちのロイホ

「ロイヤルホストで夜まで語りたい」
出版を記念して私たち夫婦のロイホの思い出を。

夫は九州の方の出身なので、ロイヤルホストは幼少期から馴染みのあるファミリーレストランだと、昔言っていた。

私は、小さい頃に両親にたまに連れて行ってもらえる特別なレストランがロイヤルホスト。
ロイヤルホストの会員になると、誕生日月はお会計から20%オフのハガキが届く。
父だったか母だったか、その誕生日月になると連れて行ってもらえるのだった。

いつもいくファミリーレストランとは違う、少し格式が高くて、お値段もちょっと高くて、特別なレストラン。
それがロイヤルホストだった。

話が戻って、私たち夫婦は別居婚かつお互いがスーパー忙しいので、何とか一緒にいる時間を捻出するために、平日ランチを一緒にする事がある。
家の近所に新しい定食屋ができたよ、とか、今度ここでランチしてみたいな、とか、その時々でランチの場所は違うけど、候補がない時もある。
そんな時に行くのがいつもロイヤルホストだ。
決して消去法で選んでいるのではなく、いつ行っても安定の味と、接客と、空間を提供してくれる私たちの安心できる場所。

あまりにも良く行くので、いつしか「俺たちのロイホ」と呼ぶようになっていた。

そんな「俺たちのロイホ」は、駅近に一軒、5分ほど車かバイクを走らせたらもう一軒と、二軒もある。ロイヤルホストユーザーには恵まれている立地だ。
駅近のお店は近いけど少し賑やか。遠いお店は行くのに少しだけ時間がかかるけど席と席の広さが十分に取れていてゆったりできる。
その日のランチ時間によって、サクッと食べたい時は駅前、ゆっくりお話できる日は遠いお店、と使い分けている。

俺たちのロイホでは、夫は決まって頼むメニューがある。
「国産豚ポークロースステーキ〜ジンジャーバターソース〜」
のランチセット。
それ以外のものを頼んでいるところを見た事がない。

ランチの時には記録として食べたものを撮っているけど、私の料理の後ろにはいつも同じポークステーキが安定の絵面で鎮座している。
冒険をしない夫と比べて私は新しいメニューがあれば試したいし、ランチメニューでお得なセットはどれかな…とメニューを穴が空くほど見つめている。
夫の安定感を、見習いたい。
新しいメニューは、成功する時もあるし、いくらロイヤルホスト様でもこれは自分の口に合わなかったな…という時もあり、そんな時はいつも安定して美味しいポークジンジャーステーキを頼む夫をちょっとだけ羨ましく思う。

ドリンクの初手は、やっぱりパラダイスアイスティー。食後は各々、紅茶やカフェラテ、同じく安定のバンホーテンココアなどを入れて、仕事の時間までゆっくりおしゃべりする。
子どものこと、仕事のこと、これからの私たちのこと…
人生で大事な夫婦の会話は、4割くらいロイヤルホストで決めてきたと言っても過言ではない。
(特定のファミレスで4割はなかなかリアルじゃない?)

夫婦の思い出が多すぎて、いつしか、我が家の近くのロイヤルホスト2軒はかけがえの無い場所になっていた。

クリスマススペシャルを食べた時には
さすがにポークジンジャーでは無かった

思い出の場所は、誰と一緒に過ごしたか、がとても重要だ。
どうか、俺たちのロイホがいつまでもそこにありますようにと、今日も足しげく通っている。

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