我が家の家長制度
我が家の夫はTHE九州男児…という感じの人。
亭主関白なところがありナチュラルに家では「お茶入れて~」
「ご飯お代わり」とお願いをされる。
年上なので家では夫をさん付けで呼ぶ。
そして家長制度をなんとなく取り入れている。
身近なものだと…
夫専用のお茶碗がある。
しかも、家で一番高いやつで、名前入り。
家族は普通のお茶碗なので夫だけ特別。
そうやって夫のことが一番大事ですよ~と意思表示をしているのだ。
夫と一緒になった時に言われたのは
「外では自分を立てて欲しい」
私は家の中でもその約束を忠実に守っている。
その結果、我が家はどうなったか。
夫も同じように私を大事に扱ってくれるようになった。
外食に行ったときは奥の席に通してくれて、料理は取り分けてくれたり、エレベーターや道を歩いている時も私を安全な位置に置いてくれる。
レディーファーストを徹底してくれるのだ。
その代わり私も夫を立てる。
お互いのプライドをどう守るか
私たち夫婦は、お互いプライドが高い方だと思う。
だから、相手のプライド=尊厳を傷つけない、と決めている。
バカにしたり、相手の悪口を外で言うのは絶対NG。
大切な人のプライドを守るのはパートナーとして最低限のマナー。
誰でも自分の中でプライドを保っている部分…プライド領域というのがある。
そこが侵害されると相手への信頼が失われるのだ。
プライド領域を守るためにはお互いが自分のプライド領域を開示して
「こういうことをされると私は傷つきます」
という事をきちんと相手に言わないといけない。
言われた方は、それを守る。
守られなかったらそれは相手の事を粗末に扱うことと同じだから。
夫とは大体くだらないことばっかり話していますが、たまに夫が私をからかうようなことを言う時がある。
普段はじゃれあいの延長でツッコミを入れたりしますが、真面目に傷ついた時は
「今の言葉は私は傷つきます」
とちゃんと口に出す。
そうすると夫は二度とそのことで私をからかったりしない。
言葉ひとつでも、相手との関係が一気に崩れることがある。
だから、傷ついたら、溜め込まないでいう事が大事。
言われた方はそれを受け止めて、謝る。
もし、齟齬やがあれば
「あなたはそう思ったんだね」
と受け止めたうえで、自分の意見を言えばいい。
その言葉で相手とどうなっていきたいか、どこを目指しているのかがお互い明確であれば、喧嘩は前向きにできる。
そして、どちらかが不満が残ったままにならないような喧嘩を心掛ける。
私たちの夫婦のかたち
少し前に別のブログでこのような記事を書いたところ
「お茶くらい自分で取りに行けばいいのに」
という声を頂いた。
「子どもにお手本にならない」
とか。
確かに、その面は一理ある。
我が家の考え方はは少し独特だと思う。
よく共働きの家事育児分担で
「妻のほうが多くやっていて不満!」
「夫は家に帰っても何もしない!」
「家事育児は二人の問題なんだから二人でするべき!」
「家事も育児もお金も全部平等にするのがリスクヘッジ」
いろいろな意見を聞く。
私はどれもなんとなくしっくりこなくて
我が家は私がほぼワンオペ家事育児だけど
夫に対して不満を持つことは今はあまりなくて
(産後すぐはあった。めちゃめちゃ話し合いした。産後の自分の変化は怖い)
でもこの感じを言語化するのが難しいな…と思ったときに
いつも仲良くさせていただいているハラユキさんの「つかれない家族」を読んでこの中のフレーズがとてもわかりやすいなと思った。
つかれない家族の共通点
■自分の役割に満足している
・仕事にできるだけ時間を割きたい人も、家事育児にできるだけ時間を割きたい人も、どちらも同じくらいのバランスでやりたい人もいる。良し悪しの話ではなく人間のタイプが違うだけ。
・「子育て中でも仲がいいカップル」は、家族それぞれが自分のタイプまたは理想に近い形で生活できている。
・自分が納得できる役割についているとそれを成り立たせてくれるパートナーにも感謝が生まれ好循環を生む。
■お互いのことをパートナーだと思っている
・家族の中に役割はあっても主従関係はない。
・パートナーの定義は「お互いにリスペクトがある」「相手が家庭以外でイキイキしている状態を魅力的だと感じている」関係性であること
・育児や介護や病気などで家庭以外の時間が持てない状況になったときは「どうしたらその人らしく生きれるか」を一緒に考えることができる
・主従関係にある場合は「相手が自分と関係ない場所でイキイキしていることを不快に感じる」「自分より相手が仕事で活躍することを許せない」ために、相手の活動を家族のサポートだけに限定させ、過剰に束縛し、相手の希望をわがままと決めつけ、相手を自分の思想とスタイル一色に染めていく。
ほかにも
・話し合いができる
・分担を「性差」ではなく「個人差」で決めている
・こだわりがあるもの以外は「時短」「外注」「合理化」している
・「大人時間」(子どもなしの時間)を大切にしている
などがある。
日本だけではなく海外の様々なカップルにインタビューして出たこちらの定義。
視野を世界に広げるといろんなことがわかる。
「パートナー」という定義をきちんと言語化できているのは欧米の方が多いく、ただその分金銭的にもシビアに平等を求めることも多いらしい。
私は、我が家が私のワンオペでも不満がない理由は
「お互いの役割に満足している」
「尊敬&やりたい事をしている相手に魅力を感じる」
からなのだと感じた。
夫が家事してくれたらそれはそれで嬉しいけど、それ以上に仕事している夫を見るのが好きで、自分にできないことで世の中の役に立つ仕組みを考えているところをすごく尊敬し応援している。
そして、夫は私が「家事が嫌だ」と言えば主体的に考えてくれる。
実際、時短家電や合理化できるものを提案実践したり、改善してくれる。
私が仕事や体調不良で保育園の送り迎えができないときは「仕事だから」とは言わずすぐサポートをし
もしできなかったとしても自分事として
「何とか調整したけどダメだった。本当にごめん。いつもありがとう」
と付け加えてくれる。
家事育児を物理的にしていなくても、ちゃんと家族のメンバーとして彼がいないと成り立たない部分がたくさんある。
夫が「女だから」「一般的にはこうだから」は絶対に使わず
「君個人の考えをちゃんと教えて」と聞き出してくれるのも嬉しい。
ちゃんと私に向き合ってくれていると感じる場面がたくさんある。
互いの甘えをどのくらい許容できるか
そのうえで、前回の記事のお茶発言は気にならないのかというと
ここまでしてくれる夫に対して、私は
「お茶を欲しがっているならそれくらい出してあげたい」
という気持ちなのかもしれない。
あとは、家族間で相手の甘えを許容すると、ぐっと家庭環境が安心の場になると思っている。
できることでもつい「やって~」って甘えたくなることがある。
子どもでもそうだし、大人でもそうだと思う。
私も、夫に甘えて自分でできることを頼む時もある。
例えば、車の運転などは私は免許を持っているけどずっとペーパードライバーで運転出来ないので夫に頼む。
頑張れば車に乗れるかもしれないけど練習しない。それは私の甘えだ。
いい大人なんだから、ではなく
いい大人だからこそ甘えられる場所を作れるのが家庭なのかな…と思う。
子どもにも「ママはパパの言うことを聞いてばかり」と思われないように
対等にというなら、甘えた分だけ甘えさせてあげる関係を作っていくのも大事。
もちろんこんな関係になる前にいろいろなぶつかり合いがあって話し合いがあった。それでも
「一生この人と一緒にいたい」
という気持ちがあるから避けられない必要な話し合いを何度もしてきた。
相手の本音を知れてよかったと思うし、自分が思った答えではなかったとしても、それに対して自分が消化し納得するまでの、気持ちのプロセスすらも愛おしい。
人生勉強をパートナーにさせてもらっているなと感じている。
夫の茶碗は「あなたを尊重している、大事に想っている」のかたち。