立ち姿を見せる /ファシリテーション一日一話 3
昨日、仙台に集った仲間たちと体験したアイスブレイクのなかには、じーんと感じるもの、印象に残るもの、僕自身にとって学び深い体験となったものが、いくつもあった。心から感謝したい。みなさん、大切なことを教えてくださり、ありがとう。
特に「ハイタッチ・バリエーション」というアイスブレイクを教えていただいたのは、よい体験となった。
アイスブレイク:ハイタッチ・バリエーションの手順
1,二人ひと組を組んで向き合う
2,一本指でハイタッチをしてみる。小さな声でイエーイ
3,二本指、三本指と増やしてゆき、五本指になると手のひらを打ち合う音が聞こえ合う
4,次は10本指のハイタッチ、そして最後はエアーのハイタッチを練習する
5,お互いに聞き合う「今、どんな感じ? 何本指の気分? それともエアーな感じ?」と。各自、自分の気持ちにあった本数の指を出してハイタッチしあう
6,相手を変えて何人かと「今、どんな感じ?」を確認してハイタッチしあう。自分が五本で相手が十本指の気分でも、それぞれを出し合ってハイタッチしあう(相手と同じ本数を出さなくてもよい)
というものだ。
アイスブレイクを体験したあとに、ちょっと感想を聞いたり、紹介してくれたファシリテーターに実施上の注意点やコツなどを伺ってみる。このハイタッチを紹介してくれたファシリテターは「みんなと高らかにハイタッチしたい気分じゃない人にもエアーなハイタッチもOKとすることで、お互いの状況や違いを認め合える場をつくりたい」みたいな話をしてくれた。これが印象に残っている。
そうか、僕がハイタッチ系のアイスブレイクに抱いていた違和感の正体は「自分らしさを失わずにいられる場づくりができている?」ということだったのだ。そのことが分かっただけでも、僕は仙台に来れてよかったと思う。工夫次第では、ハイタッチだろうが、なんだろうが、そういう違和感を払拭する進行も可能ということだ。
アイスブレイクでよく使われるハイタッチや、じゃんけん、おにごっこ、フルーツバスケットなどの王道ものは、実に色々なアレンジが可能だ。そのアレンジに、ファシリテーターのあり方や、願い、どういう気持ちでその場に立っているか、大げさに言うと哲学のようなものが、立ち現れてくる。そういう意味で、アイスブレイクはファシリテーターからその場に居合わせる方々へのちょっとしたプレゼンテーションでもある。「私はこういう者です」という立ち姿を見せるのだ。
今回は参加してくれた方々から15種類近いアイスブレイクが紹介された。皆が次々と出てきてくれたので、僕がアイスブレイクを出す場面はなく、最後にお別れの儀式のようなものだけ紹介させていただいた。僕自身の「私はこういう者です」は、仙台に集いし仲間たちにどのように伝わったであろうか。
2024年4月7日(日曜日) 朝@自宅書斎にて
一つ前の記事はこちら