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ファシリテーターの7つ道具

みなさん、こんにちは。ファシリテーターの青木マーキーです。家族会議から国際会議まで、あらゆる会議のファシテーションをお仕事にしています。

ファシリテーターとして、仕事をするときに、必ずもってゆく道具袋がある。この青いメッシュバッグがそれ。「何が入っているんですか?」とよく聞かれる。

このなかに、ファシリテーターの7つ道具がはいっている。いずれも僕がこよなく愛する道具たち。今日は、その中身を紹介してゆきます。道具に対する愛着というか偏愛があまりあるので、長文、失礼。5000文字超えているじゃないか!

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ファシリテーターの7つ道具

1,ホワイトボードマーカー 
2,水性マジック 
3,投票用シール 
4,ふせん 
5,時計
6,ストップウオッチ
7,鈴


1,ホワイトボードマーカー

全国各地に会議室があり、その多くがホワイトボードを備えている。しかし、そこにあるマーカーのすべてが、満足に書けたためしは、ほぼ、ない。置いてあるマーカー半数以上が、かすれていたり、キャップが外れたままだったり、適切な太さでなかったり、と惨憺たる現状。なので、ホワイトボード・マーカーは、必ず持参している。
参加型の会議をする場合、参加者の発言をどんどん書いてゆくことが多いため、しっかりと色が出るホワイトボード・マーカーは必需品。かすれていては、仕事にならない。
通常、備え付けられているホワイトボード・マーカーは黒と赤の2色。そこに青があればラッキーなぐらい。ここに緑、橙色の2色を加えて持っておくと、発言の色分けのバリエーションの可能性がアップして、ぐんと使い勝手が広がる。
現在は、パイロット社のボードマスター(中字)を愛用中。


このシリーズは「ハッキリ見える濃い筆跡」をウリにしていて、とてもよく見える。橙色も認識しやすい濃さで発色されるのは、おそらくこのマーカーだけだ。緑色がもうちょっと濃いとベターだが、文句のつけようのない発色。インク残量が目で見てわかるだけでなく、インク補充も、カートリッジ式で、簡単にできるのでオススメ。基本は中字丸芯を使っているが、オンライン会議では中細字、大人数の講演会などでは太字をチョイスすることも。

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↑みよ、この発色を!(ご満悦)



2,水性マジック 

やはり、なんといっても愛用するのは、プロッキー(三菱鉛筆)です。はい。ダントツにこれがオススメ。

・発色がよい
・裏うつりしない
・イヤなにおいがしない
・液だれしない

という特徴を持っていて、これ以外にオススメできる水性マーカーは、ほぼない。かろうじて、紙用マッキー(ゼブラ)もわるくないですが、ちょっとフタの開け閉めがしにくい。アクアテック(寺西化学)にいたっては、芯が硬すぎるし、急いでフタをするとはずれてしまって、地獄。ポスカ(三菱鉛筆)は色がカワイイのだけど、液だれするし、ピグマックス(サクラクレパス)にいたって、発色がほんわかすぎで向かない。

というわけで、マジック買うなら迷わず、プロッキー10色セットをどうぞ。



ときどき、会場につくと「マジック用意しておきました!」といわれて、マジック・インキや、マッキーなどの、油性マジックが置かれていたりします。が、油性マジックは推奨しません。これはマジでやめておいたほうがいい。油性マジックは、裏移りがはげしく、机や壁を汚してしまうリスクが高い。また、においがきつくて、大人数で使うと気持ちわるくなる人がいる。

プロッキーは、参加者に配って、皆にいろいろ書いてもらうことが多く、参加者人数分そろえたりする場合も。我が家にも100本近くある。

使用を続けていると、インクのかすれたものも出てくる。それらをマジックケースに戻さず、きちんと別にとって「インク補充待ち」ボックスに入れ直すようにしたいところ。戻すと、また別なタイミングで「あれ、またかすれている」と無限ループになる。


3,投票用シール
リアル会議が本当にいいな、と思うのは、簡単に投票ができること。会議参加者の皆にA4の紙とプロッキーを配って、「アイデアを1枚につき、1つ書いて」とお願いをして、それらを床において「実現するといいアイデアに投票しよう!」とするだけで、ものすごく、たくさんのアイデアのなかから、優れたものをあぶり出すことができる。
そんなとき、役に立つのが、投票用のシール


先日、体験会を開催した「クレイジー8」でもシール投票は多用されています。Google社も愛用している会議手法。

A4の紙に、皆にアイデアを書き出してもらって、すぐれたものに投票するのもありだし、模造紙に意見を箇条書きして、そこにシール投票をしてもグッド。使用イメージとしてはこんな感じですね。

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↑毎年、大学の集中講義で「よい授業とは?」を学生に聞くときにも、シール投票を活用している。「講師が経験談を語り、生徒主体でとりくめて、単位がとりやすく、気持ちはやく終わる」のがよい授業だというのが浮き彫りになる(笑)。


4,ふせん

ふせんについて、語るべきことは、あまりにも多い。昔話をするようで、恐縮だが、僕がファシリテーターを始めたころは、ふせんは高価な物だった。3Mのポストイットが主流で、あまりにも高く、これを使ってワークショップなどすると「うちの団体では貧乏なので、ふせんを使えない」と真顔で相談されたりもした。

その後、100円ショップやアスクルでもふせんを扱いだして、だんだん買いやすくなった。当初は100均のふせんは、模造紙にはると会議中にはらり、はらりと落ちてくることがあって「安物買いの銭失いだ」なんて、言ってたりもした。きっと、今は、そんなこともないのだろう。

カタチも四角に限らず、吹き出し型や、星形や、木の葉型や、♡型のふせんまで出てきた。そんななか、私が愛用しているのは、やはり元祖3Mの強粘着ポストイットだ。なぜか、この強粘着シリーズは、色味が濃い。オレンジも青もどぎついのでアクセントによい。かつ、一度貼ると落ちて来にくいので、なんだか古武士のような佇まいになり、愛用している。今調べたら、通常のふせんは「パステル・カラー」が基本なのに対して、強粘着シリーズはなぜか「ネオン・カラー」が標準設定らしい。


とはいえ、あまり僕はふせんを使うタイプのファシリテーターではない。かつて「ワークショップといえばふせんに書くやつでしょ」というぐらい、流行ったことがあった。2011年に東日本大震災があったあと、たくさんのファシリテーターが現地に入って「どんなことで困っているか、ふせんに書いて話し合いましょう」と連打しまくったため、被災地では「ワークショップ? はいはい、困っていることをふせんに書くんでしょ。おつきあいしますよ」と、ファシリテーターが被災者ににお付き合いさせてしまう現象も起きたぐらいだ。

僕は、なにがなんでも、ふせんに書かせようとするファシリテーターを、あまり信用していない。道具はあくまで手段。適切なときに、それを使えばいい。個人的には、必要ない限りふせんを使わずに過ごしたい。

ただ、この道具は、時と場合を選べば、実に有用なので、いつでも出せるように7つ道具にしのばせている。登山のガイドさんが持っている救助用ロープのような存在。それを使うことを、通例にしたり、目的にするのは、ちょっと違うよね。使わずに下山できれば、それに越したことがない。しかし、ひとたびそれが必要な場面が出たら、躊躇なく使用したい逸品だ。(なんだ、結局、ふせんが大好きじゃないか♡)

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↑某生協さんで、次の大河ドラマに生協の父・賀川豊彦さんをというアイデア出しにもふせんが使われた。三谷幸喜脚本かい! ガンジー役青木って、俺か?


5,時計
ファシリテーターにとって、時計は必須アイテムだ。ぱっとみて時間が分かる、というのはとても大切。なぜならば、時間内に会議を終わらせ、成果を出すのが私たちの仕事だから。そういう意味で、見やすい時計がある会議室というのは、安心する。が、必ずしも、どこの会議室でも見やすい時計があるとは限らない。そこで、時計は必ず持参している。
今、愛用しているのは、モノマスターという雑誌の付録についてきたハンティング・ワールドの布製折りたたみ時計だ。

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この時計が優れているのは、
1,軽い    全国を移動するファシリテーターにとって「軽さ」は正義
2,コンパクト ほかのトラベルウオッチは、分厚くて場所をとるものが多い
3,アナログ  個人的にはデジタルよりアナログのほうが時間把握しやすい
4,静音    時計の針が動くカチカチ音がうるさくない
ということで、しばらくこれから離れられそうにない。まだ入手可能っぽいので、欲しい方は、以下からどうぞ。



6,ストップウオッチ
そして、同様に、ストップ・ウオッチも、よい働きをしてくれるので、必ず持ち歩いている。今、愛用しているのはSEIKOのTIMEKEEPERという製品。おそらく、これ以上余計な機能を付けないほうがいい。1分2分3分とダイヤルを回すことで即座に設定できるのも好き。何よりカウントダウン・タイマーの音がすばらしい。よくキッチンタイマーみたいなので、タイムキープしているのを見ると「ぴぴぴぴぴ!」と耳障りな爆音がなったりするのは、好みではない。このタイマーは、極めて小さな音ながら、必ず人の耳に届く音域を発している優れものだ。おそらく、これ以上の銘品はもう生まれないだろうな、という予感のある一品。


最近、スマホをストップ・ウオッチ代わりに使っている人をよく見る。機能としてはスマホで充分だが、ストップ・ウオッチのほうが、それを握っている姿で、すでにメッセージするあたりがいい。ファシリテーターとして人前に立っているとき、どうもスマホをいじっていると「個人的なLINEでも見てるのかな」と思われるのは、どうも本意ではない。李下に冠を正さず。タイムキープをしているよ、とわかる道具を手にしていたい45才のオジサンだ、僕は。


7,鈴
ちりーん♪と、音がなるものを、何かひとつ持っておきたい。

休憩時間が終わり、セッションを再開させるときも「時間だから、集まろう」というより「ちりーん♪」とならすだけで、皆、気持ちがこちらに向いて、自然と「再開しようかモード」になる。
グループワークをしているときも、時間管理で鈴を鳴らすことが多い。いくつかのテーブルに分かれているところに対して、大声やマイクで「あと5分ですよ!」と言うのもありだが、それだと、皆の貴重な話し合いの時間を、中断させてしまったり、奪ってしまうことになる。なので、なるべく、邪魔をしないように「ラスト5分になったら、この鈴をチリーンと1回ならすから、そろそろまとめをしましょうね」と伝えておくとスムーズだ。
ほかにも各グループから3分以内に報告してください。というときも、優しい鈴の音でタイムキープしたい。鈴に関しては、様々なホームセンターや、登山道具屋さんや、ネットショッピングで、鳴らしては選び、買っては失敗してきた。

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よくスピリチュアル系のファシリテーターがチベタン・ベルを使っている。これは、実に響くがもともとは宗教道具というだけあって、ちょっと影響力というか支配力が強すぎる。ので、ふさわしい時にしか使わないようにしている(通常のビジネス・シーンにはそぐわないことも多い)。普段使いとして愛用しているのが、こちらの鈴。

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長野県の森林組合連合会でしか売っていないという謎の鈴だ。コンパクトで、100人いても聞こえて、かつ宗教くさくない。熊よけの鈴らしいが、熊に効く音は、人にも効くらしい。
https://naganomoriren.or.jp/森林組合購買チラシ/


道具のお手入れをしよう

以上、ファシリテーターの7つ道具を紹介してきた。音声配信の「マーキーの会議が上手になるラジオ」でもこの7つを紹介しているので、あわせて聞いて欲しい。ストップウオッチのカウントダウンタイマー音や、鈴の音も聞いていただける。


イチローさんなど、一流の野球選手はバットや、グローブや、スパイクなどの仕事道具を、とても丁寧に扱い、手入れを怠らない、という話をよくきく。僕も、道具たちにお世話になってお仕事ができているので、感謝して使ってゆきたい。

愛着を持って接すれば、道具は思った以上の働きをしてくれる。

休日に、道具の手入れをしている時間は、かなり好きな時間。そうだ、今日は土曜日で、しかも雨。ホワイトボード・マーカーのインク交換や、プロッキーのインク・チェックでもして過ごそう。

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追伸:みなさんが会議やワークショップで使っているお気に入りの道具、オススメ・ツールはなんですか? 文房具や仕事道具の話を聞くのが好きなので、もしよかったら、教えてください。

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