人手不足≠人手不足【レポート#11】
どこの業界でも『人手不足だ!』と言われる昨今。
労働人口が年々急激に減少しているので当然ですね。
そこで我々が属している消防設備業界はどうなのでしょうか?
結論、人手不足というよりは候補者不足なのかなと思っています。
人手はある。
人手はあるけども、そこで求められている人材としては何らかの条件が不足しているので候補者になれないといった具合なのかなと。
個人の感想を言っていても理解が深まらないので、ここでChatGPTに『人手不足の業界に現れる特徴を10個とりあえず挙げて下さい!』と投げてみたところ以下の回答がありました。
はい、めちゃくちゃいい線いってますね。
消防設備業界の人手不足、いや ❝候補者不足❞ への理解を助けるヒントになる人手不足フレームワークって感じ。
ですから、ここからChatGPTさんが吐き出してくれた大枠をバキバキ引用して議論を展開します。
①:長時間労働や過重労働が多い
この状況に陥っている会社はありますね。
今の(株)防災屋も、私の負担が大きいかも。
まぁ私なので離職とかは無いんですけど。(笑)
現場が終わった後に事務処理を自分でしなければならない会社は、もれなく長時間労働&過重労働になってる気がします。
消防設備士の実務には届出がついてまわります。
点検であれば点検報告書。
工事であれば工事10日前の着工届・設計届、工事後4日以内の設置届。
日中フルで現場に出た後、届出まで自分でやると残業確定します。
加えて、ここで残業が当たり前って社風になると『残業してナンボだから、残業代で稼ぐぜぇ~~~フゥーーーッ♪』って制度を悪用して日中はホームセンターでサボって、夕方に会社へ戻ってきて残業代を荒稼ぎする「残業代ボーナスタイム中毒者」が雨後の筍の様にニョキニョキ現れます。
そうなるとマジメに、しんどい思いをして仕方なく残業をしてしまっている人が残業代ボーナスタイム中毒者を養う格好になるので、マジメな奴から辞めていきます。
‥‥ってのが私が見た、とある会社の「現場のリアル」でした。
なので個人的には ❝一人ひとりの負担が大きくなる❞ も、その個人が納得できる環境であれば ❝労働環境が悪化し離職率が高くなる❞ まで直結はしないのかなと思っています。
しんどい思いをした個人の頑張り&成果が、ひとたび組織のフィルターを通ると頑張っていない奴に分配されることがアホらしくなる組織運営の未熟さが人手不足を招く気がしています。
解決策としては「組織作り」ですね。
すなわち経営者が経営をすることが、この①の人手不足要因の解消方法だと思っています。
届出を分業したり、残業を管理したり、評価制度を整備する等の工夫をこれから私も注力していきたいと思っています。
②:賃金や待遇が不十分
消防設備士が薄給になりやすい理由に「管理コスト」が含まれることは、前記事で述べた通りです。
また大企業と福利厚生や休暇制度を競っても消防設備業界は100%勝てません。
いや、100億%勝てません。
なぜなら、収益を生む力つまり儲かりパワーが違いすぎるからです。
例えばNTT西日本って福利厚生や休暇制度めちゃくちゃ充実してるらしいんですよ。
そりゃ元々が国営の ❝日本電信電話公社(電電公社)❞ ですからね。
私の妹が上智大学から新卒でNTT西日本の総合職になったんですが、なぜ妹がNTT西日本にしたかってのが、まさに『福利厚生や休暇制度が充実してるから』って話でした。
儲かりパワーが強い会社ほど、そりゃ福利厚生や休暇制度を充実させる余力があるに決まってるじゃないですか。
なので、もちろん賃上げは今後どこの企業でもやっていかないと人材獲得の競争に勝てませんが、もともと ❝福利厚生や休暇制度❞ 等では勝負できない業界だったと思っています。
では何で勝負すべきか。
それはスモールビジネス性だと思います。
独立・起業できる業界であることを推すこと。
サラリーマンとして働いた場合に ❝賃金や待遇が不十分❞ にならざるを得ない、それならば競う土俵も「脱・サラリーマン」すればいい。
これから消防設備業界に人材を誘致する際には、どれだけスモールビジネス性をアピールする工夫ができるかがカギだと思っています。
③:高齢化や若手人材の不足
これは顕著ですね。(笑)
(笑)するしかありません。
(一財)静岡県消防設備協会さんで公演させて頂いた際、『若手を誘致するには、どうしたらいいかについて話せますか?』と内容の指定がありました。
なんでも他業界だと35歳以下(だったかな)の労働人口の割合が30%くらいあるのに、消防設備業界は6%くらいってドン引き低水準らしいんです。
これで言うと公演では若手の人材不足を解消する方法として、おそらく以下3つを話しました。
新卒を採用する
発信者を増やす
大企業をつくる
しかし今、振り返ると「1. 新卒を採用する」は相性の悪い業界だと思います。
なぜなら、独立・起業しやすい ≒ 教育したら人が辞める業界だからです。
なので頑張るなら「2. 発信者を増やす」と「3. 大企業をつくる」かなと。
「2. 発信者を増やす」は私も大きな役割を担えるのかなと思っています。
おそらく、身近に憧れられる先輩がいないと他業界へ転職されてしまうのではないかと思っています。
私の場合は、たまたま「ブログでの発信&後継者候補ブースト」でアークリード㈱の尾阪社長や㈱マトイテックの奥村会長といった尊敬できる先輩にキャリアの初期から可愛がってもらえたラッキー要素が、とても大きかったです。
このラッキー要素に再現性を持たせるために、これからは『私が尊敬できる先輩ですよ!』と私自身が尊敬できる先輩として(図々しいですが)若手に向けて発信していければと思っています。
「3. 大企業をつくる」も㈱防災屋で成し遂げようと日々動いております。
特に消防設備業界は実力派の中堅社員の居場所が少ないと思っています。
多くの会社にて「ペーペーの若手」と「ぶらさがり古参」の勢力が拡大するあまり、その二者を養う実力派の中堅社員がアホらしくなって辞めるというドーナツ化現象が観測されます。
だから(株)防災屋は、実力派の中堅社員の居場所になりたい。
ちょうど私や他のメンバーがスピンアウトしてきたように。
一番、消防設備業界いや消防業界にとって損失となるのは他業界へ実力派の中堅社員が流出することだと思っています。
独立・起業もできるけど、それでも一緒に働いてくれる関係性の消防設備士をもっと増やしたい。
元消防士の消防設備士をもっと増やしたい。
そんな思いで(株)防災屋やってます。
実力派の中堅社員な皆様、連絡お待ちしております。
④:専門性が高い・特殊なスキルが求められる
ここは人手不足ではなく ❝候補者不足❞ の要因に若干なっているかなとは思います。
しかし ❝若干❞ です。なぜなら無資格者への罰則や、その取り締まりが緩すぎる状況だからです。
これから、もっと有資格者による仕事が当たり前って業界にしていかなければなと思っています。なので消防設備士の教材を含むコンテンツを手間暇かけて作っています。
消防設備士サミット2024で、お笑い芸人のザブングル加藤さんとステージ登壇させて頂いた際、以下の様なことを仰っていました。
国家資格「消防設備士」や第二種電気工事士を取得するハードルは、そこまで高くありません。いや比較的、資格試験のハードルも低い業界です。
あとは専門性ですが、確かに現場経験がモノをいう場面はあります。
業界12年目の私も、まだまだ知らないことや詰め切れてない部分が山ほどある奥の深い業界でもあります。
しかし、この業界で「難し過ぎて、できないことはない!」と断言します。
いつも資格試験を含む勉強も、実務も両方とも「難し過ぎて、できないことはない!」と言い切っています。
例えばシュレディンガーの波動方程式について大学で習った時、『(これ難し過ぎて一生理解できねぇわ)』と諦めた経験が私にはあります。
こういった ❝お手上げ状態❞ に、消防設備士の仕事をする上で陥ることは無いのかなと思っています。
あとは前述した通り ❝新人教育❞ に ❝時間やコスト❞ をかけても独立されてしまう業界なので、そこにリソースを割きにくいところは ❝候補者不足❞ の一端を担っていそうです。
⑤:社会的評価やイメージの低さ
消防設備士という職業について、ネガティブイメージを抱かれているのではなく、それ以下の「無関心」って現状です。
無関心であれば、まだ嫌われた方がマシってやつです。
求職者の選択肢にすら入っていないことが大半なので、まず知名度を上げられる発信者を業界全体で育てることが大事ですね。
これは何度も言いますが、「知らなきゃ使えない ≒ 価値が出ない」って商材を扱っている消防設備士が情報発信をせず、ただ消防法の強制力によるニーズ喚起だけで仕事をしてしまっているのは怠慢じゃないかなと。
しかし、きちんと世間に認知してもらえれば、もっと候補者が集まるポテンシャルがある魅力的な業界だとも心の底から思っています。
私が思う消防設備業界の魅力は、例えば以下3つです。
やりがいが分かりやすい。(人命を火災から守る)
まだ業界に改善できる課題が山積み。(自分が影響できる余地がある)
設備に詳しくなれる。(知的好奇心をくすぐる)
もっと消防設備士って職業の魅力は、広く世間に認知されるべきだと思っています!
⑥:採用・育成コストが高い
他業界では採用に莫大なコストをかけることも珍しくありませんが、労働集約型の消防設備士って職業ではハイパフォーマーでも一人当たり収益額にアッパーがあるので求人にかけられるコストも限定的です。
よって採用活動に対する初期投資額も、そこまでかけていない‥‥‥いや採用にお金をかけていない企業も多いでしょう。
これも上述した通り ❝教育しても独立される業界❞ なので、育成とは相性が悪いです。
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