日記 魔獣使い
いきつけのレストランでゴキブリが出た。
私はゴキブリが出ても冷静沈着そのもので、店内はウェイトレスさんも含めて女性ばかりだったが、見つけた瞬間に口に人差し指を当てて
『静かに、動かないでね』
と、優しくその子にいったあとにダーン!と一撃で殺して、天牌の津神というキャラのように
「おしぼり。」
と呟いて、死体をサッと処理した。
他のお客さんは気づかないで、ウェイトレスと料理人だけが見ていた。
『実にスマートだな、自画自賛ランプが高速点灯でボーナス確定。』
と思っていたら、その子は
「うわー!よく掴めますね!手を洗いましたか??
うわー!」
と言ってきた
おかしい‥これはおかしい‥私は祝福されるべき存在のはずだ。
これが時代劇なら
『危ないところをありがとうございました、おサムライ様』
と娘が言ってくるはずなのに、なのにまるで助けたのに
『この人殺しが!』
と蔑まれているようだ。
私はすっかりご機嫌斜めになってしまった。
斜めになっていた所で2匹目のゴキブリが出た。
その娘は「ひぃ!」と声を出して、私の方を見てきたが
「恨むなら自分の運命を恨むんだな。」
とドラゴンボールのピッコロのようなセリフを言って帰ろうとしたら抱きついて
「お願いします、神様!」
と、『お客様は』と頭につけないで直接神様と言われて、まるで本物のピッコロのような気分になっていたので、今回は変な容器でゴキブリを閉じ込める事に成功した。
すると、その娘が
「なにしてんの?!さっさと殺してよ!」
と言ってきたので
「いいのか?そんな態度をとって‥これ解き放っていいの?」
と答えると
「すいません、神様!そのまま処分してください!」
と言ってきたので、処分した。
最後までありがとうございますと言ってきたので今回は気分よく帰れた。