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青春的秋田的時間、

秋田でソロ公演「虹さし よろこぶ人たちに おどり、こたえよ!」を終えてきました。果たして、おどり、こたえれてたのか?ここで言う"おどり"とは?など。
それはまだわかりません。
でもこのタイトルは少なからず東京では付けれなかったと思います。きっと"おどり"を東京では様々な作家同士で取り合うでしょうし、虹さし、の虹も別の文脈の方により寄って受け取られる可能性とかもあるかもしれません。
今回のタイトルはそのまんまで、呼んでくれた人たちとのやりとりの中でそこにいたほとんどの人が見た虹をさしていた、というフィクションのような時間があって、それに応えるに尽きる!と思いつけました。
昨年の一連の文化創造館での仕事は踊りを見せるよりも前に踊りを一緒にし促し、サポートしていくような並走に尽きる時間だったように思い、それなら今回は遠くから手を振るようにして、応えたい、自分なりの手の振り方で応えたいと思ったのでした。
また、おどり!なんて言って、随分僕はダンサーのくせに浮気に色んなことに手を出している作家で恐れ多くも「おどり!」を代表するなんておこがましいのですが、でも、なんか、今回は「おどり」をやらせてくれ、と思ったんです。どんなにダメだろうが、おどり、おどり、おどりをやらせてほしい、と思った。そして、今しかこんなふうに生意気に呼び捨てでおどり、なんて言えないかもと思った。
 そんな中での、応える!が今回のミッションでした。

そんな極めてシンプルな動機で公演が出来ることの本当の幸運みたいなことに取り組む、そういう時間を過ごしました。きっとここまで人が多く、混雑していてあらゆるものが視界を阻むようなパースペクティブしか持っていない"東京"ではきっと遠くに見える向こうの人に向けて手を振る、なんてことよりもスマホで電話しながらなんかするとかの方が向いている可能性だってありますね。

この幸運な公演を運営チームが可能にしてくれました。
ダンサーの加賀谷葵さんは秋田で連続的に行っている"渦"というプロジェクトをプロデュースしているわけですが、相談の上で今回の公演も渦シリーズの一つとして行うことになりました。
彼女は素晴らしいダンサーで、きっと秋田でも僕よりも葵さんのダンスを見たいなんて人の方が多いだろうにも関わらず今回は他人のダンスの企画を用意してくれたのです。
大村香琳さん秋美の大学院にいますが元々は玉川大学でパフォーミングアーツを専攻し田中泯さんの研究をされたりしていましたが怪我の経験から、文化人類学的な研究とダンスによる表現と自己治癒などを今はテーマにして面白いです。早坂葉さんはアーティストですが、ラップや言葉のアクションもパフォーマンスに取り入れていて当日もインストールや音響関係のことでお世話になりました。彼らがそれぞれの探求をしている上で、公演のあらゆることを気にしてくれながら進むことが出来ました。一緒にいる時間も多く疲れた部分も多かったと思いますが、それでも面白がって(おそらく)一緒に進めれたのはなんと幸運なことでしょう。
僕はこの公演をソロ公演でありながらも、(zoomでの事前のやりとりやまた昨年の文化創造館との事業が事前リサーチのような役割にもなっていて)何か3人との共同作業あるいはワークショップのプログラムなどを通して再び関係を持つ昨年からの関係者や新しい人たちとの、並走できる瞬間を探したりもしていたように思います。ソロ公演がソロ公演で終わりとならずに、次への燃料なり、アイディアなり、伝達される身体感覚なりを持ってくれるかも。この公演は引き続き何かの途中であるようにしたい、と思って、それで3人にも出演してもらう形になりました。

(この3人の他にも様々な関連する記事を同じタイミングでしかも別に派生する可能性を伴って(さすが)書いてくれた伊藤さんや、街歩きで別の可能性の示唆をくれた小坂さん、見にきていたいただいた文化創造館の方達、ココラボの後藤さん、差し入れをくれたかがまりさんや、秋山さんやふたろさん、公演にあたってコメントを寄せてくて人、そして昨年から一緒に踊った方々、稽古を覗きにきてくれた長谷部さんなどなど様々な人が関わってくれました。)

この公演を人に見てもらおうと運営チームをはじめ色んな人が尽力してくれました。時には高校生のスケーターたちもチラシ配りに協力してくれたり、チラシを見ただけで泣きそうになった街であった人もいたそうです。メールとかでの宣伝だけでなく、手でも配ってくれたりしたのです。
こんなことってなんだか、今では信じられないくらに、嬉しいことです。
信じられないくらい美しいことにも思います。
来てくれた人たちもありがとうございました。
たくさんエネルギーを注ぎ込んで、途中で倒れてしまったりもしたけども、全体を通して幸福や元気をもらい続けたような気がします。
これはきっとパースペクティブとか空間の話にも繋がっていくんじゃないでしょうか。やっぱり、東京に建ってる建物とかだけではダメで、生きるには 日本列島の全体を使って行き来することで感じられる風の通りとか、色々ものが溢れて埋まっているところだけでなく、めっちゃ開けた解放を感じられる場所も、日本海の打ち付ける波や人工的な空白や、誰か知らない人の鼻歌や、昔から来たようなおばあちゃんや、自由なスイカ割や、白い紙に急に走り書きみたいに登場するこどもの存在、ほとんどの人が不審者と思ってしまうくらい街で浮いてしまった人、昔の資料、そしてこれからどんなボロな国になろうと未来へのヴィジョン、そういうものが考えれるための余剰をく〜っと吸ったはず。


他でもアーカイブはまとめていこうと思っているわけですし、この秋田での連続的な活動を通して別の人たちもアクセスしていけるように全体的になるといいように思っています。ので、それらは別のアイディアで進めていくとして、いったん終わったことの報告と面白い動きがあったよ、との報告です。

入道崎で、踊りもしてきました。人前での公演も大事ですが、場所で踊ることやそこでの経験の蓄積を自分の身体にもまた場所にも積み重ねていくようなことが、ここをここ、たらしめるような気もしていて、それで場所をもう少し知りたいということで踊ってきました。きっとこういうのは全国的に展開していくといい気がしています。踊りで知ることが出来ると少なからず思うのです。

ありがとう、引き続き!!



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