アスリートに学ぶAO・推薦で求められる人財:中編【“良質な非常識”を肯定する】
アスリートのあり方と、AO・推薦入試で鍛えられるあり方は、かなり似通ったところがあると、私は思っています。
なかなか言葉にしにくいのですが、AO・推薦入試における成長と変化のプロセスは、非常にトップアスリート的なのです。
前編の記事でもお伝えしましたが、多くの場合、アスリートとしての旬の時期は、若く、短いものです。
ただ、人生の非常に早いタイミングの一時期に、持てるエネルギーの全てを凝縮し、盲信的に突き進むような「アスリート的原体験」を有する人財は、実は、これからの長寿社会の中で非常にたくましく生きることができると思います。
今はまさにVUCAと呼ばれる時代です。
変動的(Volatility)で不確実(Uncertainty)、複雑性(Complexity)が高く、とても曖昧(Ambiguity)な社会において、私たちは、少し前までの普通が、あっという間に通用しなくなることを痛感しています。
経済の成長が安定して持続するような社会であれば、
時間の経過とともに段階的に徐々に成長するモデルで良かったのかもしれません。
ですが、今のような時代、そのような時系列的成長モデルの汎用性は、かなり低いものでしょう。
これからの時代を生きる人財に求められている本当の力は、状況が一変した時、頭で理解するよりも速く直感的に反応し、瞬く間に適応を果たしてしまうような柔軟性や瞬発力です。
それが、100年という長い人生の至る所で、形を変えて、常に求められ続けられるのです。
このような、どんな外圧にも負けないメンタリティとバイタリティこそが、まさに、アスリートが日常的に鍛えている資質そのものですし、AO・推薦入試で求められる人財に必須の力です。
あるAO入試で、志望理由書に「笑いを科学したい」という内容の研究テーマ書いた受験生の、こんなエピソードがあります。
最終合否を決める面接試験の際、教授から、思わぬ投げかけがあったのです。
「まず、僕たち面接官を、今すぐに全員笑わせてよ。」
この受験生は即座に、面接官の中にいた髪の毛の薄い教授に向かって、
「♫ハゲよ〜、遠きハゲよ〜♫」
と、ユーミンの歌マネを披露したそうです。
・・・無事、合格しています。
この受験生の教授とのやり取りは、ある意味、とても非常識です。
ですが、緊張感にみなぎる面接試験の会場で、場に風穴をあけることのできる人財には、やはり、いざという時の底力を感じます。
そこに光を当てる選抜がAO・推薦入試なのです。
私は、こうした即興的な突破力が人生で最も効果的に鍛えられるタイミングは、やはり機動力や柔軟性を有する若い時期だと思います。
しかも、そうした資質が、「誰かによるやらされ」ではなく「自分が目指すビジョン」に向けて発揮されれば、その成長スピードは格段に増すはずですし、幸せへの近道を邁進することになるでしょう。
だからこそ、、、
「そんな難しそうなことに挑戦する前に、まずは順を追って・・・」とか、
「普通に考えて、それは前例がないから無理でしょう・・・」などのような、世間にありがちな”悪質な常識”には、疑問です。
耳障りなお話に聞こえてしまうかもしれませんが、実は、こうした意見は、保護者の方から発せられることが少なくありません。
だからこそ、若い人財の中にある“良質な非常識”を、親子関係の中で引き出すことができれば、それは、とても素敵なことだと思います。
(後編につづく)
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