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誰も知らない“オンライン面接試験”のリアル:前編【慶應SFCの判断】

こんにちは。青木唯有(あおき ゆう)です。
日本アクティブラーニング協会理事およびAO・推薦入試オンラインサロンナビゲーターを務めています。

今回のコロナ禍による影響で、大学受験のスキームそのものに大きな変化が起きることは、以前の記事(アフターコロナ時代の大学受験:後編【新しい選抜のカタチ】)でもお伝えしました。

既に、企業の人財採用では、コロナ感染リスクを回避しつつ、優秀な人財を採用するための抜本的な変更を実施しています。

その最たるものが「オンライン面接」でしょう。

コロナ前には当たり前だった、対面によるやり取りでの採用形式が、いわゆる3蜜を回避するため、続々と「オンライン面接」に切り替わり、相当数の会社が、最終面接まで全て「オンライン面接」で選考し採用を決めたという報道もありました。

面接で選考するというスタイルは、AO ・推薦入試も同様ですので、受験業界では「AO・推薦入試も面接選考はオンラインになるだろう」というのが大方の予想でした。

ところが、先日、慶應義塾大学 総合政策学部 環境情報学部、通称SFCの2021年度AO入試の募集要項が公開された際、そうした予想を超えた選抜形式が示されました。

その内容には、志望理由書や活動報告書などの書類をWEBで提出する際、動画撮影による「3分間プレゼンテーションビデオ」を添付することが必須である、ということが示されたのです。

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慶應SFCの募集要項によると、、、

ー 社会情勢の変化により、2次審査となるキャンパス内での面接試験およびオンライン面接いずれの形式も実施ができなかった場合は、1次審査による書類提出の際に添付された『3分間のプレゼンテーションビデオ』を2次審査(面接)の代わりに活用し、最終合格を決定する ー

という趣旨の説明があります。

コロナ禍であっても「オンライン面接」なら実施できるだろう、、、

という世間の風潮に全く依拠しない判断が、慶應SFCのアドミッションオフィス(入試事務局)にはあるのだろうと強く感じました。

たしかに、今回のコロナ禍による教訓の一つは、
「想定外の事態における人間が生み出したシステムの脆さ」
が挙げられるでしょう。
移動が制限され、それまではあって当たり前だった都市機能が、瞬く間に麻痺する状況が世界中で起こりました。

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その結果、人類が長年かけて築き上げてきた社会構造や生活様式そのものが変わろうとしています。

たしかに、働き方も教育のあり方も、移動や接触を伴わないオンラインシステムを活用する方向に急速に移行しつつあります。それによる課題も多くあり、まだまだ進化発展の余地があることでしょう。

ですが、そうしたシステム対応を急ぐがあまり、
「オンライン化さえ進めれば万事うまくいく」という思い込みに埋没してしまえば、それ以外の可能性や一番大切なことを見失ってしまう恐れに繋がってしまうかもしれません。

コンピューターウィスルや情報漏洩のリスクなど、オンラインの世界にも、
まだまだ克服することが難しい危険が多々あります。
ある一点から発生したリスクが、あっという間に世界中に広がってしまうことも十分に予想されます。

そもそも、世の中に万能なものなどないはずです。

そう考えると、各企業の人事部や大学のアドミッションオフィスなど、人財を採用する側が「オンラインさえ活用できなくなる可能性」すらも想定するような、新しい選考に対する判断が、確かに必要になるだろうと、今回の慶應SFCのAO入試募集要項を確認しながら考えさせられました。

そんな原点的な視点に立った時、
私は、「オンライン面接」に対する具体的な向き合い方も、全く別の見え方になってくるのではないかと考えています。

(中編につづく)

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