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合格したいならアーティストになろう! :前編【商品ではなく作品を創る】

こんにちは。日本アクティブラーニング協会理事の青木唯有(あおき ゆう)です。AO・推薦入試オンラインサロンのナビゲーターも務めています。

これまで長くAO・推薦指導に携わってきた私自身の経験から、AO・推薦に象徴される大学受験の大きな変化から見えてくる様々なことを、本ブログにてほぼ毎日お伝えしています。
このような情報や視点を、特に保護者の方に認識いただくことで、大学受験を通じて形成される親と子の自立した関係「親子軸」を育むヒントにしていただければ幸いです。


AO・推薦入試を通して成長していくプロセスは、まるでベルトコンベアの工場で大量に生産された商品のような存在が、あたかも一点モノのアート作品に変化していくようだと感じることが多々あります。

「商品」ではなく「作品」を生み出す入試。

私は、「自分という作品」を創造するアーティストになることが、AO・推薦入試の本質ではないかと思っています。

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ちょっとわかりにくい概念もしれませんね。

通常、アーティストという言葉から連想されるものは、自身の才能を活かして創造活動を行う彫刻家や画家、音楽家のようなイメージでしょうか。
その前提には、特別な才能を有している非凡な人財という印象があると思います。

そしてこうした人財像は、一般的な受験システムの中では特に必要とされていません。

これまでの受験システムに対応するためには、アーティストのような独自性を追い求めることではなく、既に体系化されている知識のインプットとアウトプットというトレーニングが主流でした。
ペーパーテストに予め設定された「問題」に対して、素早い判断で「正解」を解答欄に書きマークシートで選択するという受験のルールに適応するためです。

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「正解」はもちろん決まっていますし、そこに至るための道筋も教科書により整理されていますから、受験生からすると、努力に比例した結果が約束される確率が高く、非常にフェアなルールのように感じます。

ですが、こうした「平等を良し」とする受験システムは、もはや機能不全に陥っていると言わざるをえません。

環境が絶えず変化し、これまで以上の危機的状況やリスクを抱える社会において、「絶対的な正解」という概念自体がまずあり得ないことであることは、誰の目から見ても明らかです。

にも関わらず、「正解ありき」の試験によって判で押したような同じ思考性を持つ人財を大量に生産することに、果たしてどんな意味があるのでしょうか?
しかも、AI(人工知能)によって、人間の能力以上に「正解」にたどり着けるテクノロジーが既に実現しようとしています。

私は、これからの入試のあり方は、「正解」に向かう力ではなく、そもそもの「問い」を生み出す力に着目すべきだと考えます。

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そのためにも、従来の「受験生としての成功パターン」とは対極に位置する、「自分独自の才能を駆使するアーティスト」から学べることが非常に多いのです。

例えば、「工業製品」と「アート作品」の違いを比較することで、これからの時代に本当に必要なことが見えてきます。

「多く人にとって便利なもの」が工業製品であるならば、アート作品は「自分にとって意味があること」が優先されます。
また、工業製品は、市場という他者のニーズを満たすために開発・生産される「受注ベース」ですが、アート作品は、自分の必然が生み出した作品によって社会に新しい価値を生みだす「発注ベース」です。

便利な商品が大量に生産され、市場に広がり、その陣取り合戦に勝つことが価値である時代は既に終わりを迎えています。
従来の受験システムは、こうした概念の「残り香」のようなものです。

これからは、工業製品的な「汎用性」や「有用性」ではなく、むしろアート作品のような「希少性」や「有意性」がキーワードとなる時代になるのではないでしょうか。

なぜならば、先の見通しがきかない時代においては、答えを探すことよりも、“ここに何かあるかもしれない?!” と「問い」を立てそれを発信することにこそ価値があるはずだからです。

では、そうしたアーティスト的思考は、一体どのように鍛えればよいのでしょうか?

(中編につづく)

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