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プロダクトとかデジタルとか(ROLLCAKE伊野さんとの対談)

アオキ
こんにちは。ついに訪問できました!お邪魔します。

伊野さん
こんにちは。どうぞ座ってください。
いやー、僕がTENTさんにお話できることがあるんだろうか。

アオキ
いやいや。聞きたいことばかりですから。


ROLLCAKE株式会社
かんたんに楽しくアルバムが作れる『ALBUS』をはじめ『レター』や『FLOWER』などスマートフォンアプリケーションの開発・運営を行う会社。


アオキ
もともとは、伊野さんの奥さんとうちの奥さんが娘のバレエ教室で隣になることが何度もあったらしくて。

それで、我が家で『レター』と『ALBUS』を使ってて。ある時メルマガで送られてきた作例みたいな写真に伊野家のみなさんが出てたんで

アオキ
「あれはもしかして伊野さん一家ですか?」って聞いたら「そうそう、うち作ってるんですよ」って言われたと。


伊野さん

そうなんですよ。モデルとか使わず、家族の写真使ってます。

それでうちも最初は「TENTさんって知ってる?」って妻に聞かれて。「知ってる知ってる」「その娘さんとバレエ教室が一緒なんだよ」「へぇー」ってそんな感じでした。


アオキ

それを機に改めてROLLCAKEさんのことを調べたら、他にも『FLOWER』っていう見たことがあるサービスをされててびっくりしました。

アオキ
サービスのどれにも深く共感できるし、伊野さんの過去のインタビューを読んでも僭越ながら共通点というかシンパシーを感じて。「ぜひ会って話してみたい!」って奥さん経由でお願いして。


伊野さん

三年前くらいでしたっけ。家族みんなで一緒にご飯食べたんですよね。


アオキ

そしたらもう、会話なんてできない(笑)


伊野さん

いやあれは無理ですよね。食べ物こぼすし、どっかいくし(笑)



アオキ

その後もう一回、家族同士で集まったけど、僕らも子どもと遊んじゃうから、どうしても会話にならない。


伊野さん

いや、家族で会ったら親同士の会話なんて無理ですよね。


アオキ

とはいえ「素敵なサービスを作る人は、ちゃんと家族にも目が向いているんだなあ」とますます興味が湧きました。


伊野さん
そんなふうに見られてたのか、恥ずかしいな。


アオキ

そして今回ですよ。三年越しに、満を辞して、子どもなしでお会いしてインタビューする機会をいただきました。ありがとうございます!


悪魔の囁きと対抗する仕組み

伊野さん
今回この『アイデアとかデザインとか』を読んで、僕たちとTENTさんは違う言語でけっこう近いことを言っている感じがして。おこがましいのかもしれないけど。

アオキ
僕もそう思っています。ただ、ROLLCAKEさんの場合には、わりとロジカルというか、仕組み化されているイメージがあって、そこがすごいなと思ってました。


伊野さん

そうですね。ロジカルとか仕組み化とか、わりと好きというのもあるんですけど、デジタルのプロダクトって、関わる人数が多いのもあるかなって。

あとは、運営っていう時期があるじゃないですか。運営していると悪魔のような囁きがいっぱいくるわけですよ。


アオキ
機能を増やすとか


伊野さん

そう。「これをやったら売上げが上がる」とか、都度こう、悪魔が囁いてくるんですよ。


アオキ
なるほど、デジタルだと後からアップデートもできるから。


伊野さん
そうですそうです。で、そういった囁きを排除するためにはドキュメント化して共通認識を作っていかないといけない。

伊野さん
なんか危ないんですよね、気づいたらどんどんファットでマッチョになって。五年後くらいには、誰もどこにも連れて行けないものが出来上がったりする。


アオキ

なるほど、ROLLCAKEさんのサービスってすべて洗練されてるので、はたから見ると迷いも感じないんですけど、その前には迷われてた時期があったってことなんですかね。

そもそもROLLCAKEよりも前、たとえば、若い頃は伊野さんは何をされていたんですか?学生時代とか。


やりたいことに近いのは何だろう

伊野さん
うーん、もともと僕はデザイナーって名乗る気はほとんどなくて。ちょっと一番古い記憶を話していいですか。


アオキ

はい、古い記憶。


伊野さん

小学校の時に友達と三人で遊んでて。ボールがありましたと。そこから、遊び自体を作るじゃないですか。木を使おうとか壁を使おうとか。それが僕の中に原体験としてあって。あれを作りたいんです。


アオキ
そういう時は、わりと言い出しっぺだったんですか?


伊野さん
それもあるし、友達が言い出したものをアップデートしたりも好きで。漠然とそういうことがしたいんだけど、何したらいいか分からないまま大学を卒業しちゃって。95年くらいですね。


アオキ
どういう大学だったんですか


伊野さん
普通の、四大(四年制大学)の経済学部です。


アオキ
経済学部だったんですか!


伊野さん
就職活動もせず会社勤めも知らず、僕がやりたいことに近いのはなんだろうって。

で、「なんか分かんないけど、Macだ!」って思ったんですよ。


アオキ
中学生がエレキギターを買うような気持ちだ!
「あれさえあれば俺は最強になれるのに」という。


伊野さん

そうです、かなり近いです。それで当時の僕ができることっていうのが「バイクに乗っている」ってだけだったので、まずはバイク便の仕事でお金を貯めてMacを買いました。


アオキ
すごい。当時だと初代のiMacとかですか?


伊野さん
いやいや、もっと前!ジョブズ復帰の前ですね。
それでまずはMacを買えたわけですけど、別に何者にもなれないわけです。


アオキ
うおお。確かに。


伊野さん
そうこうしていたら、知り合いから「Mac触れるんだったらうちでデザインやってみない?アシスタントやらない?」って声をかけてもらえて。そこがスタートでしたね。

ちょうどWebがすごい面白くて。もちろん当時は常時接続なんてできてなくて、モデム繋げて「ピロピロピロー」って時代でしたけど。


アオキ
わかります。メール溜めといて、夕方にまとめて送信してましたね。


伊野さん
そうそう。当時はCD-ROM作ったり、Web作ったりして。その後フリーランスにもなったんですけど、納品して手放すってのが、ものすごくつまらなくなっちゃったんですよ。

ちょうどWeb2.0が始まったタイミングで、この相互感すごいなって気持ちもあって。自分で工夫しながら仕組みを作っていく。

面白いものを作っていく、それでどこかへ行けるってものを作りたくて。サービス会社に就職しました。


伊野さん
実はバイク便やフリーランスも含めると、ROLLCAKEが9社目なんです。


アオキ
すごい!多いですね。
1つ前の8社目がクックパッドですか?


伊野さん
そうですね。


アオキ
へえー!ちなみにそれぞれの名刺上の肩書きはなんだったんですか?


伊野さん
ずっと「デザイナー」でしたね。最初の制作会社時代からずっと。
とはいえ、やることはどんどん広がっていって。クックパッドでは、iOSアプリを「直して」って言われて。

調査から全部やって「直すとかじゃないですね、全部捨てましょう」って、最初からもうフルスクラッチで直したりもしてました。

アオキ
なるほど。頼まれたことだけじゃなくて「そもそも」をやっちゃう人なんですね。


伊野さん
実は入社前から試してみたいことがあったんです。いまROLLCAKEで使っている「体験の設計書」というものがあって、その前身になるものなんですけど。

この方法を使うと周囲の人を巻き込めたり、やるべきことが明確になったりして、かなり手応えを感じました。


最初は小さく。でも深く。

アオキ
クックパッドに入って、やりたいことに近い「仕組みを作る」ことができる理想の立場に近づいたと思うんですけど、そこからROLLCAKE結成までの流れも聞きたいです。


伊野さん
ROLLCAKEの『レター』というサービス。これ実はクックパッド社内でのアイデアだったんですよ。

アオキ
社内ベンチャーみたいな感じですか?


伊野さん
そうそう。評判は良かったんですけど、ちょうどクックパッドが「食だけに集中するか生活領域まで広げるか」を揉めていた時代で。『レター』についても、やるのかやらないのか全く結論が出ない。

それで、今のROLLCAKEの代表とエンジニア一人に声をかけて「三人でやってみない?」って。


アオキ
じゃあ『レター』はクックパッドからリリースされていた可能性もあったんですね。

伊野さん
実はその時、結成メンバーにすでに子どもがいたこともあって。独立したい旨をクックパッドの代表に話したら

「いきなり自分たちの金でやったらすぐ無くなるよ。まずはクックパッドの100%子会社ってことで初めてみたらどう?」
ってすごい優しいプランを提示してもらえました。


アオキ
へえー!すごい円満なスタートですね。


伊野さん
そうですね。とはいえそのまま同じ場所で続けるのも違う気がして、狭い事務所を借りて。そこから2ヶ月半くらいで『レター』のサービスが立ち上がりました。

その後クックパッドが「食に特化する」という方向性に固まったので、そのタイミングで、僕たちのお金でROLLCAKE社を買い戻しました。今は100%独立した会社になってます。


アオキ
なるほど。とはいえ『レター』って、カレンダーが毎月届くわけだから、デジタルで完結するものではなく、梱包とか配送とか物理的な作業が必要になるサービスじゃないですか。アプリで完結するものとは異なる新しい部分もありますよね。


伊野さん
ある程度そのあたりもパートナー企業さんは見つけてたんですけど、立ち上げ初期は、自分たちで紙を切って、発送してとかやってましたよ。

アオキ
うわー、共感しかないです。TENTもわりと最近まで自分たちで梱包発送してたので。

伊野さん
最初は使う人数を増やすというのではなく、すごく小さく始めるんです。まずは5人とか。サービスを使って連れて行きたいゴールに、その5人を連れていけるのかっていうのが大切。

小さなサイクルでそれが達成てきていれば、いつの間にか僕らの知らないところへ溢れていくんです。


アオキ
「これいいよ!」みたいな感じで。


伊野さん
そうです。それが連鎖して、気がつけばすごく多くの方にサービスが使ってもらえてるみたいな感じ。『レター』は広告をしたことがなくて『ALBUS』も最近まで広告を使ってない。いつの間にか増えたという感じで。

僕らが「これ良いと思ってるんだよ」ってことに共感してもらえたらすごい嬉しいじゃないですか。まずは少ない人数に深度あるものを届けたいと思って作って、そうすると結果として広がる。

TENTさんも、きっとそうなんじゃないかなって思ってます。


アオキ
たしかに。


未来とのポジティブなギャップ

伊野さん
その「深度」の話を僕は「体験設計書」でしています。

まずは課題を見つけて、その課題を解決しようっていうのが、いわゆるサービスの作り方ってされているんですけど、僕はこれ違うと思ってて。

課題って見つけやすいんです。すぐ目の前にあるから。でも本当は、その向こう側に本当にたどり着きたいゴールがあって、それを阻害する障害物だから「課題」なんですよね。

伊野さん
課題は重要だけど「課題を解決したぞー」だけでは本当に行きたいところに連れていけない。そうなるとサービスの価値がない。

だから、目的やゴール「連れて行きたい場所」をみんなで見られる方法として「体験設計書」を使ってる感じです。


アオキ
ふむふむ。


伊野さん
ちょっと具体的に資料を見せながら説明しますね。

サービスの価値って、今の困っている状態と、未来のポジティブな状態とのギャップ。これでしかないと思ってて。

伊野さん
格好良いだけなんてのは意味がなくて、このポジティブなギャップを生もうとして、結果的に格好良くなるんだと思ってます。たぶんTENTさんもそうなんじゃないかな。


アオキ
わかります。


伊野さん
課題や痛みっていうのは、今、目の前にあるわけです。一方でゴールっていうのは未来にしか存在しない。だから「今」から見ると課題だけがすごく見やすい状態になっている。

今見えている課題ばかりを見続けると、本来目指したいゴールとは関係のないことをやってしまう。時間が経つほどに本来行きたかった場所には刺さらなくなっちゃうことがあるんですよ。


アオキ
ボーリングみたいな感じですね。最初はわずかな違いでも、距離が離れるとガーターになっちゃうイメージ。

伊野さん
そうそう、ここに悪魔の囁きが潜んでるんです。「こうしたほうが儲かるよ」とか「こういう機能を入れた方が人数増えるよ」とか。

ゴールにたどり着けるかという目線で見れば明らかに必要のないものでも、目の前の課題側から見ていると入れたくなってしまう。

そうなると、他のメンバーがそれを否定するロジックを持てないんです。だって課題側から見たらスコープに入っているんですもん。


伊野さん
そうして最終的にファットでマッチョで、ほとんどの人に刺さらないサービスが出来上がっていくという。


アオキ
なるほど、怖い状況ですね。


伊野さん
ここで一番怖いのが、作り手自身が最初に持っていた熱量が下がることと、一貫しないストーリーがサービスに埋め込まれてしまうことです。

だからTENTさんも、えっと、この本にも出てくる「最高じゃなくて最適」という言葉。

伊野さん
「なんでも入れたら価値になるじゃん」ではなくて、ゴールを見据えて絞り込みながらやるっていう僕たちの方法が、この「最適」って考え方にちょっと近いのかなって思いました。


アオキ
なるほど。すごい似てる考え方だなって思うのと同時に、僕の中では新たな気づきもいただけた気がします。

僕は伊野さんと比べて「時間軸」が短期的だったかなとも思いました。


後から気づく価値


伊野さん

そうですか?僕にはTENTさんはこのゴール設定があるように思えてました。
フライパンジュウで言うなら、一人暮らしの男の子がフライパンからそのまま食べちゃってるみたいな。

ちょっとみじめな食スタイルを、きちんとした食生活に感じられるようにする。これがゴールなのかなって思ってたんですけど。

アオキ
そうですね。たしかにそこまでは設定していました。

一方で、そういった満足している方に向けて、僕からさらに提案できるサービスがあるんじゃないかって、時間軸の話を聞いて思いました。

アオキ
発売してすぐの頃はWeb上でレシピを公開したりお手入れの案内を追加したりInstagramなんかもできてたんですけど、今はちょっと手が回ってなくて。


伊野さん
なるほど、長期的な時間軸でプロダクトがサービス化して継続的に関係値を持てるような形っていうのもあり得るかもしれないですね。

ちょっと質問があるんですけど、いいですか?


アオキ
はい。


伊野さん
僕らはまずゴール設定を行なった後に、動詞にして機能を作るんです。
「ゴールに行くためには、これとこれをできないといけない。それ以外のことはいらないよね」みたいに。

TENTさんでは機能をつけるときには、どんな議論をしてるんですか?

アオキ
議論というよりは、わりとモノ先行で。思いついちゃって試作して
「わかんないけどめちゃくちゃ良いね!なんでだろう。」
「あ、こういう機能があるからじゃない?」
って後から気づく感じ。

JIUの場合には「なんか良いかも」っていうスケッチがあって「ひょっとしたらお皿に見えるから良いのかも」って気づいた順番でした。

そこから「なんでお皿に見えるのが良いって感じるんだろうか」「そうか、作れて食べれるからだ!」って。

伊野さん
お皿に見えるってところに境界線があったんですか?


アオキ
そうですね、ただ、その前にもゴール設定はしてました。料理って僕からは「誰かのために美味しいものを提供する」のが前提に見えてたんですけど

そうではなくて、自分が細々と食べる自炊がめちゃくちゃ格好良くならないかな!って。

自炊って言っても、「ソーセージ焼くだけ」とかで良くて。それだけでも自分が誇らしく思えるような道具が作りたいとは思ってましたね。

伊野さん
うーん。TENTさんは「手で考える」みたいなのが多いのかもしれないですね。


アオキ
そうかもしれないです。機能からスタートしたスケッチは、なぜか突破できないことが多くて。よくわからないけど魅力的なものを、あとから「なんで魅力的なんだろう」って考えた方が、突破できることはよくあります。


伊野さん
なんかすごくわかります。僕も『レター』を作った時ってロジカルに作ったわけではなくて。最初は自分で写真を印刷して切って母親とかに送ってたんですよ。

やってるうちに、僕も送るの忘れちゃうし母親も忘れてるから、なんとなく送らなくなっちゃって。「月に一回送るっていう形にできないかな」と思いついてカレンダーにしたら、続けることができた。

伊野さん
そこからはじめて「設計として考えるとこうかな」って理屈がついてきた感じで。

難しいですねー。下から作ることも上から作ることもできるから。


アオキ
TENTでも日々そのあたりのやり方は変化してるんですけど、今年やったプロダクトでけっこう転換点になることがあったので、お話させてください。


これは一体なんなのか

アオキ
夏頃に発売した『ウエノスケ シタノスケ』というコップがあるんですけど、これがまさに、試作して使ってみて「すごく良い!」って思えるのに、その魅力がなんなのか分からずにいたプロダクトだったんです。

アオキ
それでザリガニワークスさんと、もう何ヶ月も「これは一体なんなんでしょうね」って話してました。


アオキ
打ち合わせの中で『ウエノスケ シタノスケ』という名前が出たことと「俺、水飲むの趣味だわ」っていう言葉がついたことで、僕たちの中で「そうか、それがやりたかったんだ」って。

アオキ
この製品が達成するゴールというか、提供できる価値が明確になった手応えがありました。


伊野さん
へえー!


アオキ
もう一つ、ケンケンさんがメインで進めてる、家具のような、なんともいえない魅力を持った製品があるんですけど

アオキ
このときはこれ以外にもたくさんの試作が進んでて。便利なワゴンとか、さまざまな案がありました。でも、なんでかわからないけど、この試作だけが突き抜けて見えたんです。

「4つ足付きのバスケット」とか「ボールド(太い)バスケット」って呼んでたんですけど、なんかピンとこない。

「収納になる」「テーブルになる」「スツールにもなるかも」とか機能を積み上げてみても、説得力のなさが増す一方で。

アオキ
この試作の、コアにある魅力ってなんだろう?そんなふうにみんなで何時間も話し合った結果、ちょっとバカらしく聞こえるかもしれないんですけど

「もしかしたら"かわいい"ってことかもしれない」って。

「じゃあこの"かわいい”を言葉にすると?」

「四つ足だし、うーんと、たとえばポチとか呼んでみる?」

最初は笑ってたんですけど、ポチって名前がついた瞬間に、突き抜けたんですよね。
「なんか、もうポチとしか思えない。じゃあ長い方はジョンかな」って。


伊野さん
すごいアプローチだなそれ!


脇役だから思い浮かぶストーリー


アオキ
機能をいくつも説明されてもピンと来ないんです。でも「これはポチです。ポチは荷物も置けるし、テーブルになるし、座れます」って説明されると、すごく腑に落ちると言うか。


伊野さん
なんだろう、何が起きてるんだろう。

伊野さん
ひょっとしたらなんですけど、「POCHI & JOHN」って名前がついたことで、聞いた人が自分の中でストーリーを描けて、未来の自分の生活が見えたんじゃないですかね。


アオキ
たしかに。実際にPOCHI & JOHNを購入したお客さんから「TENTさんの製品はなんでこんなにもストーリーを感じるんだろう!?」
って言われたこともあります。

そう考えるとしたら、たとえば、いつも通り過ぎるだけの玄関にPOCHIがいたら、ポンポンって触ってから出かけるような、楽しい暮らしのイメージがありますね。


伊野さん
面白いなあ!機能からは想像できなかった未来が、POCHI & JOHN という名前から想像されて、ストーリーとして自分の中に入っていったんですね。

多くのデザイナーが作るものって「買う時に格好良い」なのかもしれないんですけど。TENTさんは「使った先の未来」を予見させる方法を発明したってことなのかなあ。


アオキ
やばい、鳥肌立ってます。面白い。今思えば、フライパンジュウがその始まりだった気がします。

フライパン単体での格好よさよりも、料理を作った後のほうが素敵になる、脇役になることで価値が何倍にもなるプロダクトを作ったのはあれが始まりでした。

伊野さん
自分たちが作ったプロダクトを、お客さんの生活の中での脇役に落としたことによって、ストーリーをこう、想像させられたっていうお話をしているのかなあ。


アオキ
そんな気がします。実際には、お客さんというよりは、自分の家で自分で使ってみて、脇役になった方が得策だって思えた感じですが。


伊野さん
でも最大の最初の共感者は自分なんで、自分が良いと思ったらそれしかないですよね。

何かを作って続けていると、いろんな誘惑や悪魔の囁きはあるんですけど、シンプルにゴールに向かって必要だと思うことだけに向き合って、それでだめになったなら、それはそれ。

面白いなあ。





アオキ
すぐに言語化や仕組み化できる気は全くしないんですけど、今日いただいた未来のゴールの目線とか、時間軸を長くして考えてみることとか、今後のTENTの作るものにすごく影響があるお話をいただけた気がします。

今日はありがとうございました!


伊野さん
いえいえ、自分の考えをアップデートできるのって楽しいですね。こういう会話を欲してる自分に気付きました。

またお話しましょう!


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