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アップルパイで思い出される人
年末に両親が揃ってコロナにかかり、それとなく看病をしていたら、なんとなく年を越していた。正月用に買い溜めてあった食材を、ロスしないように、うまく献立を立てていく。計画を立てる作業は嫌いじゃない。なんだかんだ楽しんでいる。
「喉が痛すぎて、食べるのが少し大変なの」と母から聞き、ちょうどリンゴを余らせていたからラテュセを作った。
出来上がったラテュセをトーストに乗せて食べる。わ、ディズニーランドの味だ。ディズニーランドの味とは、バターと何かしらの甘い香りがし、サクサクとトロトロが混ざったものを口にすると、そうなる。チョコレートパイとかね。
食べ進めながら、以前「作ってくれたラテュセを食パンに乗せて焼くと、最高」と興奮気味に言っていた母を思い出す。母はアップルパイが好きだから、それっぽくなるのかもしれない。
縁起じゃないが、この先母が亡くなっても、私はきっとアップルパイやラテュセを見かけたり作ったりすると、興奮気味の母を思い出すんだろうなと思う。
アップルパイで思い出されるなんてかわいらしくて。羨ましい。
私はなにで思い出される人になるんだろうか。