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瞬きと写真

写真が下手なんです。
携帯がAndroidで画質が悪いということもあり、手もよく震えてるので、いざ写真を撮ろうとしてもブレブレ、光もどうなってるのかよく分からんとんでも写真が撮れてしまいます。上手く補正してくれるカメラを買えばそれでいいわけですが、どうにもその気にはなれません。ブレてはいてもいい写真というのも世の中には沢山ありますが、私のそれはただただ下手くそなだけであり、それを見ると写真を撮るのをやめようと思ってしまうという円環が出来上がるわけですね。
しかし、写真を撮るというのは今見えている風景をどこかに収めておきたいという欲求からくるものだと思いますが(芸術作品としての写真は違うのかもしれません)目の前にある世界を、この身体で体感するのに必死で写真を撮る暇がないという気持ちもあります。


写真機はいらないわ。五感を持っておいで。

そう椎名林檎も歌っていました。
閃光少女という曲ですが、実は英詞も存在します。
put your camera down
という、もうモロに思い剥き出しのタイトル。
今はどうせ過ぎ去ってしまうものなのだから、取っておいてなんておかないでよと。でも閃光少女のサビは「切り取ってよ一瞬の光を」
ああこれ、どうにもうまく説明できないけれど、どうしようもなく今なのでございます。その今を写真に収めてしまうのは無粋なのか、あるいはあの今を思い出すための手掛かりとしての写真なのか。
やっぱり写真が映す画そのものに価値があるというより、写真はその奥にあるものを見るための鍵であるのでは無いかと、そう思うわけです。
だから良い写真というのは、見る人に共通の何かを想起させるようなそういうものなんではないでしょうか。
そんな写真を撮れる人が羨ましいと思います。
私にはその技術がないですし、写真を撮りたいと思う時、それはとてもとても私的な思いであるので、まあ上手く撮れなくてもそれは別に、なんともないんではねーのかという話です。

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