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僕の友人にはみんな、僕以上に仲が良い友人がいる。

小中高といずれの卒業式でもスタスタと足早に帰宅した僕は当然成人式には行かなかった。

卒業式の日に、みんなでアルバムに書き込みをし合う時間がめちゃくちゃ苦痛だった。仲が良いクラスメイトはいたけれど休日に一緒に遊びに出かけるような友達は大学を卒業するまでほとんどできなくて、それを「俺は部活頑張ってるから」と自分に言い聞かせ、強がっていた。

だからか「遊び方」をろくに知らず、ついでにみんながどんな服を着ているのか全く把握せず、修学旅行や遠足で私服を披露する時はとても億劫だったし、かなりダサかった。大学は同じキャンパスに体育学部があったのでジャージでも違和感がなく助かった。

そうそう。成人式だ。

成人式のメインイベントは旧友との再会であり式典後の飲み会だと思っている。小中学校のメンバーで集まってワイワイするのだ。ついでに久しぶりにあったらめちゃくちゃ可愛くなってる子がいて相手も相手で「成人式フィルター」なるものが発動し多分飲み会後にこっそり抜け出して「再会セックス」を果たすのだ。大体成人式に出席する男の8割はそれ目的だと思っている。もちろん僻みである。

また、悲しいことに僕には教室では会話をするが放課後に遊ぶ仲である友人がほとんどいなかったし、彼らにはみんな、僕以上に仲が良い友人がいる。友人にとっての「1番の友人」ポジになれない僕は誰ともツーショットが撮れないし「この後どう?」と誘われないし、仮に誘われても自分の両サイドは僕ではない隣人と話すのできっと誰よりも飲み食いするもぐもぐタイムになるのだろう。

それでも僕は強がる。だって同じ高校に進んだ人が一人もいなかったし僕の地元ではみんな市内の高校に通うし僕は片道2時間かけて通学していたし、なんて言いながら。

でもきっと高校の地区での成人式に参加できたとしても高校の卒業式でささっと帰宅した僕に式典後「飲み行こ」なんて言ってくれる人なんていない。

自分から声をかけなければいけないことくらいわかっているがそれができたらそもそもこんな状況になっていないというのが現実だ。勉強はかなりできたのにこんなに惨めな思いをするなんて、世の中はやっぱりコミュ力なのだ。もっと遊んでおけばよかったと日々後悔している。

成人式があった年は実家に住んでいなかったし全く実家に帰っていなかったので親は多分行っていないことを知らないが多分行っていないと思っていると思う。どの卒業式でもさっさと帰宅してくる息子をどう思っていたのだろうか。

なんにせよ、成人式の日が近づくと心がザワザワと落ち着かない。

来世は成人式で友達と飲みに行けるように頑張りたい。

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あお
生活費になります。食費。育ち盛りゆえ。。