この怠惰でモラトリアム的状況がずっと続けばいいのにと思っていた。
僕は女で、26歳で、作家になりたくて、でも才能がなくて、でも就職はしてなくてフリーターで、でも彼女がいて、彼女は「ゆき」という名前でバンドマンで、26歳で同い年だったけど少し大人びていて、いや、26歳で子どもじみている方が問題なのかもしれないけれどこれは言葉のニュアンスの問題であってさして重要ではなく、ようは僕は彼女が大好きだった。
どこが好きかと聞かれたら、顔とか、エロいことしてる時の顔とか、作詞している時の顔とか、もう顔ばっかりなんだけど、もちろん身体も、いや、そのほか