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そうそう、それでね。42よ。
んで、今に至るってわけ。
そうそう、最初は静岡ね。
大学でて東京から逃げるように引っ越して引きこもったのさ。仕事はweb制作とかデザインとかぼちぼちやってて生活はギリギリだったけど若いからなんとかなってたのね。
8月ごろに完成した作品がかなり”当たって”ね。
正直もう死んでもいいやって思ったわけよ。本当に。だってこれ以上のものが書ける気がしなかったから。
全部手に入ったんだよ。小説を書いて、得られるもの全部。
もう無理でしょーとか思ってたけど、その次に書こうとしてた作品のプロットをぽろっとインスタにあげたら「めっちゃ楽しみです」なんてコメントが来たわけ。
やめられねーじゃんって思っちゃったよ。
それでね、もう、ここまで来たらずっと描いてやろうとやけになったの。
正直ね、「小説を書いている自分」があればどんな状況でも許されると思ってたのさ。中年になっても非正規雇用でも、フリーターでもあるいは、泥水すすうようなどっからどうみても惨めな生活でもね。「小説書き続けている自分」を盾に、自己肯定できると思ったし、周りも「じゃあ仕方ないね」って思ってくれると思ったわけで。
社会的生物だから人目が気になるのは当然だし、「こういう」「使い方」もしちゃっていいかなって。僕、結構人目を気にするから。
そうそう。
それでさ、ちょうど25になる頃かな。仕事が激減して引っ越すわけ。
尾道か、どっか雪国にしようと決めてたの。
好きな小説のヒロインが広島出身だから、住みたいなーって。
雪国は、なんとなく憧れで。
仕事はまあ、なんとかなるでしょう。健康な肉体があれば、なんとかなるし、最悪、生活保護だってね。僕、24でも結構納税してたんですよ。
そう、で、雪国に引っ越したんだ。
いろんな仕事をした。
肉体労働で、楽ではなかったけど。
前職が在宅で1日中座る仕事だったからむしろ健康になったね。スマホもいじれないし、周りは怖い人多かったけど、それはそれでまあ、うん。
職を転々としてるとね。
「今まで何してたの」とか嫌味っぽく聞かれるわけ。
そこで必殺「小説書いてて・・・」よ。
これ結構便利だよ。
でもね、ちゃんと書いてるの。
なんか、書いているうちは自分がまともな人間でいられるような感じ。それに過去にもらったたくさんの言葉が僕を肯定してくれるから、まあ、見方によっては逃げまくってるんですけど、いろんな意味で小説を書くことで僕は自分の身を守っていたのよ。
そう、で、なんの話だっけ。
あ、そろそろバイトいかないと。
今はね、ホテルの清掃スタッフ。42歳。受賞歴なし。でもたくさん書いてるよ。
いえーい。
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