装甲騎兵ボトムズ 第1話「終戦」前半~炎のさだめにさそわれて~

 小学生の頃にスーファミでスパロボをプレイした思い出があり、もともとロボットアニメに興味はあったものの、ちょこちょこいろんな作品を鑑賞してもイマイチはまりきれなかった……という悲しき過去を持つオタク、青川がお送りいたします。

 1983年~1984年放送のテレビアニメ『装甲騎兵ボトムズ』を観るきっかけになったのはオープニング曲『炎のさだめ』でした。

 放送終了から30年後の2014年、青川27歳の夏にyoutubeでこの名曲を聴いてしまったのが出会いです。初めて聴いたときから、歌詞の内容の特殊さに胸を打たれたのをよく覚えています。

 “炎のにおい、染みついてむせる”
 “戦いは飽きたのさ”
 “そっとしておいてくれ”

「これまで観てきたロボットアニメとは毛色が違うぞ!コイツ、あんまり戦いたくないらしいぞ!」という印象をびんびんに感じとり、この歌詞が表現している世界がそのまま物語に取り入れられていることを期待して鑑賞してみたら……もう、最高だったぞ!と、幸福な縁に恵まれて、晴れてボトムズオタクになりました。そんな私の自由すぎる感想文です。よろしくお願いいたします。

 記念すべき第1話、初めてのオープニング映像を目の当たりにしながら、「ああ、いい曲だな~」とすっかり気に入ってしまっていた青川。歌声がキレイで、喉から絞りだすようなちょっと色っぽい声なのも良かった。オトナ向けのアニメであることをなんとなく感じていた。(ちなみに最初まったく気づかなかった。この声の正体が織田哲郎さんであることに……)。

 映像に主人公と一人の女しか出てこないっていう渋さもカッコイイ。これはカッコイイアニメなんだ!と、まだ何も知らないくせに好感度を上げすぎのボトムズ初心者。そして始まる本編。

 主人公の青年の独白がナレーションとして流れる。生まれ故郷のためと信じて戦ったけど、悲惨な戦禍が広がるばかりでもう疲れちゃったよ……という風な内容が、おどろおどろしい戦争のシーンと共に語られる。その後、サブタイトル「終戦」の文字。

 謎の戦艦、その中で悪そうな顔をしたおじさんたちが集まっている。私がのちに好きになる“秘密結社”の方々……このおじさん達の顔の系統が全員違って個性が際立ってるのがいい。故・塩山紀生さんのキャラデザのお仕事が光る。(トガルの出番消滅したの勿体ない!これまた味のある、底意地の悪そうな顔が印象的だった)。

 このメンツの中での一番の親玉であるキリイ閣下の貫禄がイイ。パイプなんかくわえちゃって。めちゃくちゃ渋い。洋画に出てきそうなツラだ。(最終局面であんなことになるなんて、この姿からは想像つかないよ……!のちのワイズマンファンクラブ会長さんだよ☆)。あと、この場限りの軍服ボローさんとか、結構好きだったりします。意外と軍服似合ってると思う。

 そして登場する我らがアイドル……スコープドッグたん……!最初見たとき「カワイイ……」と思った。ちょっとでっぷりしてるのが愛らしい。カッコイイ、というよりは、いびつさや憐れさみたいなのがあって。一挙一動がいじらしい……あと手足が少々短い……カワイイ……。ああ、次々に敵を攻撃している……カワイイ……。

「味方だ!隊長、相手は味方じゃないんですか?!」

 主人公のセリフ。マスクの奥から出されるくぐもった声が臨場感ある。視聴者には主人公の表情が見えないから、声だけで焦っている感じを出さないといけない(新人声優・郷田ほづみ、のっけから難しいことをやらされる)。

「なぜ味方を襲うんです?!」と必死にたずねる主人公キリコ。そんな彼を、顔のないロボットたちがいっせいに見上げる。

 ここの演出すごくいい。ゾッとした。こういう絵面を出せるの、本当にいい。

 見上げる動作をするロボットの中に入っているのが冷たい人々なのが伝わってきたから。

 第1話で最も印象的な場面をあげるとしたら、私が選ぶのは間違いなくここだなぁと思う。「ボトムズとはどういう作品ですか?」とたずねられたら、「こういう“画”が用意されているアニメですよ」って答える。それぐらいインパクトがあった。メカデザインの大切さを思い知るシーン。顔がないロボットであることがこの作品においてものすごく重要であるということ。無機質で冷たい世界の象徴たるデザインの中に、兵士たちの身体は閉じ込められている、という解釈……。

 一体これはどういう作戦なんだ?という秘密を教えてもらうこともできず、やがて隊からハブられてしまうキリコ。置き去りにされ、彼が乗るロボットは宙に浮きながら顔をうつむかせるポーズに。さみしそうだ。宇宙でぼっちだ……。

 そこへ敵の狙撃が。うまく難を逃れ、謎多き空間を漂ったその先、行きついてしまいました。例のカプセルのお部屋に。

 ここで初めて主人公はゴーグルを上げ、その瞳を視聴者にさらしてくれる。りりしくて綺麗な眼。

 全話視聴したあとでこの場面を観ると、ここでカプセルを開けるボタンを押しちゃったのが運命の分かれ目だったんだなぁとつくづく……だからこそ、ここはものすごくドラマティックな場面じゃなきゃいけない。キリコの大げさすぎるくらいの息づかい、狼狽えすぎだろ!と突っ込みたくなるくらいの焦りぶり。

 カプセルの蓋が開き、中身があらわに。そこにいたのは全裸の女性!しかもつるっぱげ!さらに眼を開いた女性に見つかった!めっちゃ見られとる!めっちゃ焦るキリコ!何すかこの衝撃の出会い!

 と、驚きの展開を迎えたところ、ここでアイキャッチが挿入される。リアルタイムで視聴した人たちはこんなタイミングでCMタイムに突入していたのかー、と感慨深い気持ちに……突然の全裸や突然のスキンヘッドはおそらく当時から話題になっていたに違いない……。

……さっきから、つらつらと感想を書いてきましたが、はっきり言って私の感想長い……ごめんね、書きたいことがいっぱいありすぎて……この調子じゃ、最愛の例の双子が登場する場面にたどり着くまで相当な時間を要することになりそうだ……でもボトムズが面白すぎるのも悪いんだよ……。

 ひとまず、1話を前半と後半に分けて記事にしていく予定です。うまく続けられるか不安ですが、よろしければお付き合いください。次の記事はロッチナ拷問タイムとかあるから、また絶対濃い感想になるな……!やばいアニメだな……!最低だな……!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?