旅立つワンコに捧げるスピットファイア
スピットファイアのプラモデルの製作も終盤、ある日の夜半、デカールを貼っていると、父から電話がありました。
愛犬のヨークシャーテリアが危篤であるとのことでした。
作業を中断し、急いで実家へ向かいました。愛犬は母のかいなの中で横になっていました。日をまたぎ、妹も駆け付けました。
夜が更け、皆で見守る中、愛犬は息を引き取りました。それは眠っている時と全く同じ姿でした。
十五年間連れ添った家族です。奇しくも同じイギリス出身であることも手伝い、私は中断しているスピットファイアを完成させ、手向けとすることにしました。
只々、健気に生き抜いてくれたことに感謝です。
このささやかな一作を捧げます。
了