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乳がん

2021/05/13

乳がんと分かって一ヶ月半

何が変わったんだろう?
と考えると、体も、心も、意外とそんなに変化はなくて、
むしろ日々に追われていると自分がガンであることを忘れてしまう。
そんな感じでした。

一番ハッキリと感じた違いは、告知を受けた翌朝のこと。
目を覚ました時に、
"あ、今日から私はガン患者なんだ"
という、
自分の意思とは関係なく、
自分がガン患者になっている事実に、
とても不思議な感覚を味わいました。

そして現在、
いよいよ今後の治療が明確になりつつあり、
自分のおっぱいがなくなるという事実が現実味を帯びてきて、
ようやく心がザワザワと落ち着かなくなってきました。

ふとしたことで涙がでたり、
痛みに敏感になったり、
まるで産後のジェットコースターのような。。。そんな感じ。

ひとまず現段階で、
ガンがある私の左乳房は全摘出する予定です。
それはまぁ仕方がないとして、問題はその後。
なくなったおっぱいを再建するか、しないかという問題を、この一ヶ月ずっと自問自答してきました。

乳がん患者が失ったおっぱいを作り直す場合、今はありがたいことに保険適用で再建することができます。
作るといっても、人工物で作るのか、自分の体の組織を使うのかという選択肢があり、
かつ、
自分の体の中でも背中の組織を使うのか、お腹の組織を使うのか、という選択があります。

それぞれメリットデメリットがあり、
それらを作らないという選択肢と比べた時、
自分は何を大切にしたいのか、グルグルぐるぐるとしていたわけです。

もともと私は自分のおっぱいに執着はなくて。
小さくてずっとコンプレックスでさえあったものだし、2人産んで、授乳もして、おっぱいとしての役目は全うしたと笑
だから、乳房切除と言われても、まぁそうですよね、くらいな感覚でいました。

ただ、私を心配して下さる人は、
「まだ若いから」といって、再建を進めて下さる方もいました。

たしかに。
温泉、海、そもそも洋服も、胸がないという状況が想像でしかなくて、
あった方がいいのか?と悩んだり。

そんな時に後押ししてくれたのが、
日赤同期の友人の話。
遺伝カウンセラーとしてバリバリ働く彼女から、
ありがたくもオンラインで夫婦揃って相談をさせてもらって。
彼女の立場だからこそ伝えてくれる想いが、その時私の胸にすごく響きました。
(HBOCの遺伝検査についてはまた別投稿で詳しく書きます)

彼女が教えてくれた、意思決定ガイド、 というもの。
これがとても役立ちました。


簡潔に言えば、ガイドに沿って意思決定していくプロセスを紙に書き出し、整理をしていくこと。
分かっていたつもりでも、
やっぱり書き出すとすごくスッキリして、私が本当に今大事にしたいことが見えてきました。

医療者はよく、情報と選択肢を患者に伝え、その後は自分で決めて下さいね、という話し方をします。
それは間違ってはいないけれど、本当はそこから決めていくプロセスにも誰かの手は必要で、その支援も医療の中にはあるべきだと感じました。

特に命に関わるような決断で治療までの期間が短く、本人の意思決定が難しい場合は、サポートする人が必ず必要です。

悩んで悩んで決められないかもしれないと思った時に、
大丈夫。あなたなら絶対に決められる。」
そう断言してくれる人がいるって、
ものすごく心が軽くなります。

友よ、本当にありがとう。
まだ揺れるけど、だいぶ、私の中の軸は固まってきたよ。

もしも何かの決断に悩んでいる人がいたら、
沢山悩んだ末に、
あなたらしい選択ができることを願っています。
誰の選択でもない。
あなただけのものだから。
それは絶対に、素晴らしい答えだよ。

共に頑張りましょーー!!

#乳がん #がん #乳房再建 #意思決定  

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