スルガ アオイ

SF小説を描き始めました。 気が向いた時にさらっと描いていくスタイルで。

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  • ブルーストーン~SFミステリー小説~

    アンドロイドの少女とメカエンジニアの青年が地球を救う、ちょっぴりミステリーでちょっぴりファンタジー。そんな物語を書いてみました。

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〜ブルー・ストーン〜第一話   「目覚めと目醒め」

「ねぇ、コノハ。見えないものが見えるようになったんだ。君なら信じてくれるよね」スイは、その青い目で僕を見つめながら言った。 「もちろん信じるさ。信じるとも。」 「しかしスイ、一体何が見えたんだ?」 しばらく黙り込んでいたスイ。僕は首を傾げて促した。 「光の道。私にはそれが見えたの。」 「・・・光の道?」 「ええ、光の道よ。私達が向かうべき道であり、終わりへと続く道。それが見えるようになったの。」 あの時は、スイが言いたかった事は分からなかった。 「ーーー光の道ー

    • ブルー・ストーン第十話     「光線と稲妻」

      後ろから声が聞こえた。シバだ。シバが何か叫んでいる。大きな声で何かを叫んでいる。何て言っているのかはいまいち聞き取れなかったしどうでも良かったけど、シバがロボットを蹴飛ばしたのか、警備ロボットは階段の下の方へと落下していった。 「コノハさん何をしているんですか!!早く立ってください!!!」 シバは僕の腕を強く掴み僕の体を起こしてくれた。外力を加えられたせいか、動かなかった体は動くようになっていた。腰を抜かしていたのだろう。 僕たち3人は階段を駆け上がり、先ほどの部屋へと

      • ブルー・ストーン第九話     「異常と黒影」

        「黒いロボットの大群に襲われた?えっと...大群ってどれくらいの数です?」 「正確な数は分かりません。しかし、少なくとも20〜30は...」 「そんなに...絶望的な数だ。」 「何とか命からがら逃げ切って身を隠していましたが...」 「そう...ですか。えっとあなたは先ほど、”誰かが仕組んだ”と仰っていましたけど、あれはどういう意味でしょう?」 「えぇ、私は、この工場地帯全域のシステムを管理する会社に勤めておりまして、工場警備ロボのエラーが確認できたので現地調査に参

        • ブルー・ストーン第八話     「崩壊と逃走」

          まず、僕は工場地帯を観察し、身体の感覚野を研ぎ澄ます。 僕の感覚の届く範囲には、崩れたコンクリート。剥き出しになった鉄骨。割れたガラス窓。千切れた電気ケーブル。辺りに流出したオイル。恐らく工場の生産ラインで長らく稼働していたであろうマシン。粉々になった木屑。有機の焦げた匂い。マシンオイルの匂い。それらが無尽蔵に佇んでいる。 「よく見ると、悲惨な状況だね。ひとまず、あそこの建屋に入って調べてみようか。」 「えぇ。」スイは静かに了解した。 スイの緊張が僕にも伝播してきてい

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        〜ブルー・ストーン〜第一話   「目覚めと目醒め」

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        • ブルーストーン~SFミステリー小説~
          10本

        記事

          ブルー・ストーン第七話     「仮定と憶測」

          いくらか扉をくぐった先に、僕が眠りについたあの部屋に辿り着いた。やはり、部屋の広さに反して机と椅子と本棚はちっぽけだった。 机の上にはまだあの本が置かれていた。"引力の証明"。その本からは謎めいたオーラが出ているように感じられた。あの本はなんだったんだろうか?もう少しだけ目を通しておくべきだったと後悔。 「さぁ、行こうか。」 鉄扉のパスワードを入力する。鉄扉はギィッと不快な音をたててゆっくりと開いていった。 扉が開いた先には、一度目にした風景が広がる。微かに、あの時の

          ブルー・ストーン第七話     「仮定と憶測」

          ブルー・ストーン第六話     「分解と構築」

          ぼんやりと空間を眺めていた。 長い間、日光を浴びず、閉ざされた空間でじっとしているのは大変な苦痛を感じる。そろそろ外へと出たいと思ったが、僕のマグネティックバイクが破損している事を思い出した。あの黒いロボットはまだ僕のバイクに下敷きになっているのだろうか?無意識に背中に手を当てる。 痛みは既に消え失せていたが、あの時の痛みと恐怖と絶望は未だに鮮明に記憶されている。 僕は、ベッドの上に置かれていた深緑のコートの内ポケットから缶コーヒーを取り出した。ブリキ製の缶には凹凸が幾

          ブルー・ストーン第六話     「分解と構築」

          ブルー・ストーン第五話     「運命と決意」

          「まず、聞くけどさ、どうして隕石が降ってくることが分かるのさ?」 「どうしてか?それは言葉よりも、もっと分かりやすい方法があるから、それを見せましょう。」 少女はそう言って、ポケットから金属の球体を取り出し、それを僕に差し出した。 「これをどこでも良いから、投げてみて。その球は必ずまた私の元へと帰ってくるから。」 「…この球を投げれば良いんだね。」 手渡された4cm程度の球体を眺めた後、それ握りしめた。そして、言われるがままに少女とは正反対の方向へ放り投げた。 そ

          ブルー・ストーン第五話     「運命と決意」

          〜ブルー・ストーン〜第四話   「無知と未知」

          僕は一体どれくらい眠っていたのだろうか。 目を覚ますと、あの部屋では無かった。 辺りを見回すと僕は薄暗い部屋にいて、ベッドに横たわっていた。緑と赤の小さな光がそこらじゅうでチラチラ瞬いている。光ったり...消えたり...を絶え間なく繰り返している。 綺麗だ。心からそう思えた気がした。 しばらくその光をぼんやり眺めていた。不思議と体の痛みはなくなっている。 僕は、ここに来た目的を思い出した。 はっとして、起き上がろうとする。何か細い糸のようなものが腕に絡まるような感

          〜ブルー・ストーン〜第四話   「無知と未知」

          〜ブルー・ストーン〜第三話   「引力と重力」

          もう後戻りは出来ない状況だった。僕は覚悟を決めてスロットルを全開にした。 そこからは一瞬の出来事だった、激しい衝撃音と共に空中に投げ出された僕の体。ゆっくりと伝わる鈍い痛み。背中と尻を強く打った。意識がぼやけていくのが分かる。体を動かすのが辛い。このままじっとしていたかった。でも、何としてでも地下まで行かなくちゃならなかった。始めはほんの好奇心と探求心だけだった。しかし、今では義務感を感じ始めていた。 「立て…立つんだよ!僕の…僕の体…動け!!動くんだ!!」 涙と涎と血

          〜ブルー・ストーン〜第三話   「引力と重力」

          〜ブルー・ストーン〜第二話   「確定現象と未確定現象」

          「SOS...ラザファクシマイル18か。ラザファクシマイルは分かる。しかし、18とは一体何を表しているのだろう。暗号?それとも座標?」 「う〜ん。まるで分からないや。」 僕はプロジェクターを起動し、ラザファクシマイルの地図を壁に投影した。ラザファクシマイルは、僕の自宅から約10Km離れた場所にあり、半径1500m程度の円形の人工島だ。 壁一面に映し出された地図は、およそ1/2000に縮小されている。しばらくの間、目を細めて地図の細部まで追ったが、『18』に関係がありそう

          〜ブルー・ストーン〜第二話   「確定現象と未確定現象」

          閉鎖人間は緩やかに死に行く

          【先週だったかな。 買い物に向かう途中、街で外国人に声をかけられた。多分ベトナム人だと思う。 ○○ビルハドコデス?って慣れない日本語で聞いてきた。 顔を見ると、必死に伝えようとしてるのが分かった。 私その時、結構緊張してしまってて、「○○ビルはアッチデスって」そのベトナムの人につられてカタコトになっちゃった(笑) っていう今思い出すと凄い恥ずかしい話。】 はじめに以前「人間関係の輪」についての記事と「閉鎖人間」についての記事を投稿しました。 今回はその2つの記事を絡めなが

          閉鎖人間は緩やかに死に行く

          今瞳に映るこの美しい世界で一人

          【ふとこんな事を考えた。「もし今この世界で私一人だけになったら、私は寂しさを感じるのだろうか?」と。 始めの内は寂しさを感じるだろう。 しかし、それはほんの短時間だ。 恐らく、私は生きながらに己を殺してしまうだろう。 これは物理的な死を意味しない。 「自分が何者」なのかすら認知出来なくなり、やがて自分を律する自我には穴が開き、果てには空洞となるだろう。 何も存在せず何も知らない。ゆえに知らない事をも知り得ない。 それは本当の意味での「無」であり「死」である。】 はじめ

          今瞳に映るこの美しい世界で一人

          中国に単身で旅行する話

          【グローバル化が急速に進む社会では開放人間と閉鎖人間が存在する。  開放人間は比較的社交的で心広く外国人や異文化を受容することが出来る。 閉鎖人間は心狭く新しい物を拒絶してしまう。 これからグローバル化が完全体へと進むにつれ開放人間は大いなる進化を遂げるだろう。 閉鎖人間に訪れるべき未来は恐らく緩やかな死だ。】 はじめに 私は2020年5月に単身中国旅行を計画している。 正しくは「計画していた」になりますが…(泣) 人生の上り坂真っ只中コロナという「まさか」に足を掬わ

          中国に単身で旅行する話

          こころ

          【先日、会社の上司から「君、少し変わってるね」と言われました。私は変わり者の自覚が無かったため、頭の中は疑問符でいっぱいになり「えへっ?」と何ともマヌケな回答しか出来なかった。 そもそも、変わってない人なんて存在するのか?「普通の人」って言うけど普通が何か分からないんだよね】 今回は「こころ」というタイトルで"私"と"K"について 語ろうと…(それ夏目漱石じゃん!)冗談ですごめんなさい(笑) 今回は「こころ」のありかたについて私なりに記述していこうと思います。 「こころ」

          コロナを可愛くデザインする

          【世の中にはひょんな事で人気になったり突拍子もない思い付きが物凄く利益を生む事がある。 それらは恐らく、妄想中やボーッとしてる時に出てくるアイデアの種に水をやり大事に育て、実ったら収穫する。この工程を経て利益が発生するのだと私は思うのです。 上記を簡易的な式で表すと… 発想×行動力=付加価値となるわけです。】 さてさて前置きはここまでにして、早速本題に移りましょう。 今世間では至る所で「コロナウイルス」という言葉を耳にします。周知の通り中国から来たウイルスですが今や世界的

          コロナを可愛くデザインする