クリスマスの気まぐれ.2
白い肌にぷるんとした赤い唇は、男の人じゃなくてもドキリとしてしまう。
いつからだっただろう。
このメンバーで集まるようになったのは。
友達というには少し遠くて、職場の人というには少し近すぎる。
「ちょっと遅れるけど、カンナくん来るって言ってましたよ。」
アヤメが答える。
私はテーブルに頬杖をつく。
「あーあ。
カンナが年上でお金持ちでイケメンだったらなぁ。」
ため息混じりに吐き出すと、
「それってもう別人ですよね?」
スパーンと個室の戸が開いて、噂の本人が登場した。
コートを脱いでハンガーにかけて、更にスーツの上着を脱ぎながら、私の隣に座る。
カンナとアヤメは同期入社しているから、親しいのもわからなくもないけれど、いつの間にか私まで仲良くなってしまった。
「カンナくんイケメンだし、お金を運んでくるようにナズナが育てたらいいんじゃない?」
「えー、もし失敗したら何の保障もないじゃないですかー。」
更に力が抜けて、もうテーブルに伏せてしまおうか。
アヤメが咳払いをしながら慌てて、
「スミレさんも、ナズナさんも!
本人目の前に、そんな失礼なことを…。」
「って、アヤメも失礼だけどねー?」
少しばかり反撃してみる。
とはいえ、カンナは苦笑いをしているものの、大して気にする素振もなく、呼び出しボタンを押して、店員さんにビールを注文している。
「百歩譲って、カンナがイケメンでお金持ちになったとして、年はどうしようもないじゃないですか。」
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