クリスマスの気まぐれ.7
「糖分足りてないんじゃない?」
チラリと見上げながら言うと、
「…足りてます。」
プイっと横を向いてしまった。
「そ?」
のぞきこんで見ると、めちゃくちゃ眉間にシワが寄ってるよ!
「ナズナちゃんがくれるなら、なんでも欲しいなぁ。」
私の反対側で、作業をしていた村田さんがニッコリ笑っている。
「あ、飴いります?」
ポケットから取り出したものの、行き場をなくしていたはちみつの飴を、差し出された手のひらに乗せた。
「ありがとう。
あとで大事に食べるね。」
笑顔で飴を手のひらに包み込む。
「そ、そのくらいで大げさですよ。」
なんて答えたものの、心臓がバクバクする。
「ははは。」
対応までイケメンだ。
「これ、運びます。」
無表情のカンナが、商品の入ったカゴを運んでいく。
こんなに不快な感情を激しく出すなんて、珍しいと思いながら、カンナの後姿を眺める。
「カンナくんだっけ?
若いのにしっかりしてて、すごいよね。」
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