クリスマスの気まぐれ.23
「…だって、忘れちゃってるんだもん。
ドキドキするのも、久しぶりすぎて。
嫌われないようにばっかり気になって…。
って、途中で帰られちゃったんだけど。
あー…、連絡しなきゃ失礼だよね。」
スマホを取り出そうとした腕を、ぎゅっと掴まれた。
「…なに?」
カンナを見上げる。
カンナがいつものカンナじゃないみたいで、ドキリとした。
「好きなんですか?」
真っ直ぐな視線を向けられる。
それに、なんかちょっと近い!
「いや…。
そうじゃないけど。
大人として?
失礼なことをしたかもしれないし…。」
横に目線をずらす。
「相手が失礼だから、怒ったんじゃないんですか?」
ぐっと腕に力がこもって、思わずもう一度カンナを見上げる。
「…え?」
「誠意のない人に、誠意を見せる必要ないです。」
そう言うと、私の手を掴んだままずんずん歩き始める。
「か、カンナ?」
確かに村田さんはイケメンで、人気のある人とお近づきになれて、ちょっと優越感もあった。
だけど、好き…とは思ってはいなかった。
「あ…。」
創作活動のため、サポートしていただけるとうれしいです! 応援よろしくお願いします(*´人`*)