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あおいゆの
2018年2月19日 13:59
「すみません、バニラアイスください」「ありがとうございます」わたしはカートを止めて、アイスが入ったケースに手を伸ばす。通路は狭いから、一つ一つの作業に慎重になる。ケースの中から、バニラアイスのカップを取り出した。カートの横からスプーンを取り出して、両手で持ってバニラアイスと共に差し出した。「200円です」「はい」硬貨を2枚渡されて、しっかりと受け取った。「いつもご利用あ
2018年2月22日 10:57
ぼくにとって、それは特別なことじゃなかった。お酒は嫌いじゃない。だけど、毎日毎日吐くまで飲まされていたら、お酒という存在が嫌いになってしまった。悪いのは、お酒を飲ませすぎる相手であって、お酒自体にはなんの罪もないのに、お酒を見るだけでイラっとしてしまうのはなぜだろう。…疲れているんだと思う。仕事も嫌いじゃない。だけど、間違ってもいないのに謝り続けていたら、仕事という存在自体が嫌
2018年2月27日 10:53
新幹線の車内で販売の仕事をしていると、いろいろなことがある。嫌なことが多いと、辞めていく子が多い。「先輩は平気なのかもしれませんが、私には無理です!」そういって、辞めていった後輩の顔は今でも忘れられない。だって、平気だから続けているわけじゃない。辞めたって、また別の嫌なことをしなきゃいけないだけ。それなら、笑ってやりすごして、適当に流して忘れてしまえばいい。…なんて、忘れられ
2018年2月28日 09:58
「お客様、お席の確認をお願いしたいのですが…。」怯えるような声が耳に響く。あの子の声だと反射的にわかった。「疲れてんの。眠いの。わかる?」威圧的な声が聞こえる。さっきから、大いびきをかいて寝ていた乗客だろう。仕事で疲れているのも、酒を飲むのも自由だけど、人に迷惑をかけていいとか、八つ当たりをしていいってことにはならない。「申し訳ございません。お席の確認をしていただけませんか
2018年3月1日 22:08
酔っぱらいの乗客は嫌いだ。威圧的で強気だから。本当は、関わりたくない。だけど、あの人は助けてくれた。涙が出そうなほどうれしくて、でもどうしていいのかわからなくて、あの人がいつも降りる駅でバニラアイスを渡した。声がうまくでなくて、言葉が見つからなかったけれど、あの人はやさしく微笑んでくれた。心臓がバクバクした。ドキドキしながら仕事を終えたとたんに、今度は別の意味でドキドキして