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海の記憶/記憶の海
「治す」ということ
娘が保育園でもらってきた風邪が家族間でリレーして、最後に私のところにきたのだけど、移動するにつれ毒素が濃縮されているんじゃないかと思うくらいひどくしつこい風邪で、今朝起きたら喉がものすごく腫れて、やむにやまれず里芋湿布をつくることにした。
里芋湿布は、すりおろした里芋に同量の小麦粉、1割のすりおろしショウガをまぜて手ぬぐいでくるんだもの。
喉の腫れによく効く民間療法なのだけど、つくるのが面倒なのと、母親がやっていたことをするということに対する根強い抵抗のようなものがあり、ずっとやらないままでいたのだった。
痛くて重くて自分のものではないような体をひきずって畑に行く。
爪の間を土で焦げ茶に染めながら、埋まったままの里芋とショウガを掘り出した。
この冬は動物に入られて畑はめちゃくちゃになっていたのだけど、かろうじて土の中のものだけは残っていた。
ゴム手袋をして里芋の皮をむき、
ショートカットしてショウガもろともフードプロセッサーに放り込んで回し、里芋湿布をつくる。
首に巻いて、誰かに殴り倒されたように布団に倒れ込み、
そのまま1時間ぐっすり眠った。
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