ヒップホップとカニ身 ~『レペゼン母』の話
著者インタビューの場に姿を現わすとだいたい「イメージと違った」と言われる。
ヒップホップ・ラップバトルが題材の小説ということで、皆様もっとファンキーな人物を想像するようだ。
そんな時、ちゃんみなやあっこゴリラみたいなビジュアルでないことをちょっと申し訳なく思うけれど、髪をグリーンにしたりするのもめんどくさいので、いつも普段通りの特にエッジの立っていない恰好と顔で行く。
「ヒップホップとかラップバトルは元々好きだったんですか?」
インタビューでだいたい聞かれるけれど、実はまったく関係なく生きてきたし、自分がヒップホップやラップバトルを小説で書くなんて思ってもみなかった。
青春時代を過ごした90年代後半からゼロ年代も、1回だけカラオケでエミネムを歌おうとして撃沈したことと、失恋してすごくつけ込まれやすい状態だった時にタワーレコードでKICK THE CAN CREWを視聴したらKREVAに「お前のそばに俺がいれば 一生涯いらねえぜナビゲーター」と歌われたのでふらふらとアルバムを買ったことをのぞいては、遠巻きに見ているものでしかなかった。
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