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犯された妻を愛することは可能か「ボクの彼女はガテン系」elf 感想



注意

※このnoteは男性向けアダルト美少女ゲームに関する記事です。アダルト、非倫理的な内容を含みますので、苦手な方はスルーしてください

※パソコンの調子が悪くてスクショができなかったので、画面をスマホで撮影したものを参考画像にしています。色味などが変ですがご了承ください。

※大幅にネタバレを含みます。

※この記事の筆写は30代既婚女性です。



概要

「ボクの彼女はガテン系/彼女がした事、僕がされた事/巨乳妻完全捕獲計画/ボクの妻がアイツに寝取られました。」

2011年にelfから発売されたアニメーション+アドベンチャーゲーム。
テーマはNTR(寝盗られ)。

キャラクターデザイン・原画:門井亜矢、ゆずちち
シナリオ:土天冥海
音楽:筒井香織 (tutti) 、未来、MaRBiN、Sinn.planet

タイトル画面


ストーリー

4章構成になっていて、第1章では「夫婦が付き合うまでの初々しい馴れ初め」を描き、第2章では「夫が寝盗られに気づいて反逆するまで」を描き、第3章では「間男視点で人妻を寝盗ろうとするまでの話」が描かれて、ラスト4章では「寝盗られた妻を取り返すために必死に頑張る」・・・ざっくばらんに言うとこんな感じです。



良かった点

【ストーリーの長さがちょうど良い】
短すぎず長すぎないので良かったです。短いとあっさりしててストーリーにのめり込めないし、冗長だとやる気無くすので。だから、同人ゲームや、シナリオの浅い抜きゲーはできないし、かと言ってメジャーなアニメ化するようなシナリオ重視のエロゲもできないんですよね。
社会人になってからは、浅いゲームも長いゲームも、同じぐらい嫌です。
しかし、「ガテン系」に関しては、そのバランスがよく取れています。深くて短くて面白い。

【エロとシナリオのバランスがいい】
私の好きなエロゲって、これに尽きるんです。エロ重視、シナリオ重視、どちらかに偏っていてそれら「抜きゲー」「シナリオゲー」が別個のものかのように存在するエロゲ界隈が嫌です。
「エロゲーはアダルトメディアだから、エロさが全てだ!」というエロゲーマーもいれば、「エロゲーにエロは不要!ストーリーを楽しみたい!」というエロゲーマーもいます。個人的には、いやいや、どっちも両立していないとダメだろって……。
ガテン系はほどよくエロく、かつ、シナリオも重厚です。NTRものでこれは惚れ惚れしますね。

【テーマがブレない、描き切っている】
テーマNTRですが、この過程をしっかり描いているところがすごい。NTRものでまず馴れ初めの「ふたりがどう出会って、どこに惹かれあったのか」から描いてくれるなんて、ほんとに助かる。そこから強固な絆が壊され、穢されていく……読んでいて辛いものはあったけど、最高でした。最初このパッケージや序盤を見ていて、「こんな純粋で健気な男勝りで果敢な子が、浮気なんてするか?なんで???その理由を知りたい!」と思ってプレイしていました。ズルズルと間男の嘘や脅迫に騙され、家庭を壊したくなくて黙っていたことなどが明らかになり、「え?不倫じゃなくてこれ強姦じゃね???可哀想!」となりましたが……。あと、浮気や不倫ものの創作物にありがちなのは、2人がいきなり幸せそうな夫婦もしくはセックスレスで、妻が快楽に流されて寝取られ不倫、発覚!バーン離婚!エンド!みたいな投げやりなんですが、こちらは違う。夫婦になる前のこと、なってからのこと、寝取られる過程、そこからどう妻を取り返すか、どうやって2人で立ち直って生きていくのか。そこまでみっちり詳細に描き切っています。

【絵やキャラデザが可愛い】
原画師は、門井亜矢さんとゆずちちさん。門井亜矢さんは「下級生」などの原画で有名ですね!ほんとにキュートで可愛い〜。昔の萌え絵って感じですね!ゆずちちさんはよく知らなかったのですが、サブキャラの人妻のほうの絵を描かれていたと思います。こちらも綺麗な絵です。自分がグラフィックで良いと思った点は、まつ毛とか目とかのお顔もそうだけど、手足や指の描き方にフェチを感じました。すごくうまくて綺麗だなって。あと、指が出てくるシーンは必ず左手なんですよ。それで、薬指の指輪が見える。うーん、たまらん。こだわりを感じる!



【間男にも同情できる点があるところ】
間男視点だといきなり長年好きな女がぽっと出の冴えない男に奪われてしまったんだよね。確かにそれは可哀想かも……。しかも、結婚後も10年間一途に奪う計画を立てていた。もう、最初からこっちと付き合えば良くね??って思うほどです。ヒロインの美咲以外の女に興味なさそうだし。浮気しないでしょ。金もあってセックスも上手い。でも、恋愛や結婚ってそういう理屈じゃないんですよねぇ。ヒロインにできたことは、何があっても不貞行為をしないか、気付いたときにすぐ相談することだったと思う。

右が間男

【裏切りの連鎖が描かれているところ】
奥さんが旦那を裏切るにはもちろん、間男ももともとお兄さんとかお父さんのように慕っていたのに……と言う展開。また、他にも「超いい奴だと思っていたのに、お前もかーーー!」って男がゾロゾロ出てきて、みんなして奥さんを寝盗ろうとする。そういうのもなんか心を抉られていいですな。純粋な夫婦の心に傷が入って染み渡るというか。


悪い点


【NTR、不倫ではなくどちらかというと強姦寄りなこと】
NTRの醍醐味って「身も心も堕ちていく過程」だと思うんです。しかし本作では身体は間男のものでも、心だけは最後まで主人公のものだった。
これっていきなり強姦して、写真撮ってばら撒くぞって脅して家庭を守るために他の男とセックスするっていう話で、ちょっと完全にNTRとは言いがたいです。
男性目線だとこれもNTRなのかもしれないけど、女性の私から見ると、強姦の類だと思いました。もっとNTRならではの間男に惹かれていくところが見たかったのに、そういう描写はなかったですね。


【スッキリしたハッピーエンドがないこと】
一番マシなのは、間男から離れて農家になるエンドかな?でも、妊娠しているのは間男の子供だから、不穏なまま終わる。
あとちゃんとした長いエンドもみんなで住んで乱交家族になって、息子は間男に盗られるってものと、奥さんをわざわざ他の男に貸し出して寝取らせて遊ぶようになるという、2種類しかなかった。他は短いバッドエンド。
ちょっとこれでは納得いきませぬ……。
例えば、奥さんの過ちを赦し、受け入れて2人で前を向いて、間男からは養育費や慰謝料もらってもう全部忘れて幸せに暮らすエンドは一つでもあったらいけなかったのかな……?


【2人の息子が間男の子供なのが回避できないこと】
これもきつい。生まれたものは仕方ないけど、時間巻き戻して前半の甘々ラブストーリーで終わって、夫婦で幸せになるみたいなifの展開が欲しかったです。

【主人公が強姦された奥さんを責めたこと】
まあ気持ちはわかるけど、あんなに責めなくても……って思った。一番辛いの奥さんで、奥さんも被害者なんだし。人はみんな自分勝手なのかも。

懺悔する奥さん


まとめ

永遠の愛ってなんだろう。そんなの誓えるのだろうか。恋愛とは結婚とは、家族になるということとは……。元々は他人同士であった男女が一生家族でいることなんて可能なんだろうか。

「何があっても」許せる?
「あなたを絶対幸せ」にできる?
もしくは、「不幸のどん底でも永遠に一緒」にいる……?
この夫婦は三つ目を選んだように思います。

わざわざ奥さんを他の男に貸し出して、汚させることを楽しむようになった主人公。
それって、トラウマの克服をするためなんじゃないかなと思いました。
アダルトゲームってたまにここまでリアルで心を抉られる作品があるからやめられないですね。

寝取られというよりも、夫婦の愛が試され、そしてそれに敗北する話だと思いました。

明日は我が身と思って、夫婦生活送ります。
恐ろしいゲームでした。

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