1人と1人で“カップル”ってこと。
私はよく恋人と”カップル”についての話しをする。最近のちょっとしたテーマだったのが、「SNSにカップル写真をアップすべきか否か」ということ。
SNSに恋人との写真しか載せてないような人もいれば、恋人はいるけど全く載せてない人もいるし、いわゆる”匂わせショット”をちらほら載せている人もいる。
私は恋人との写真をSNSにアップしたことはなく、恋人も私との写真をアップしたことはない。別に大きな理由があるわけではないし、絶対に載せたくないわけではない。ただ家族や友達にはお互いのことを紹介しているので、わざわざSNSにカップル写真を載せることにあまり意味はないのではないかと感じるので載せていない。また他の人の投稿についても、恋人に関しての投稿が多すぎると恋人を見せ物にしているような感じがしてあまり良い気はしないとも思っていた。
私は他の人の考えも気になったので友人にも尋ねてみた。すると、彼女は「”匂わせショット”は嫌いだから恋人がいるなら堂々と載せて欲しい」と答えた。彼女自身も恋人とのツーショットを投稿していたし、自分の投稿に関しても、他人の投稿に関しても、カップル写真を載せた方がいいと考える人がいるというのは驚きだった。
それからしばらくして、私は仕事の面接を受ける機会があった。質問の一つとして「今はどこに住んでいますか」と聞かれた。住まいのことを聞かれたので「〇〇で恋人とルームシェアをしています。」と答えた。面接終了後、面接についてのフィードバックがされた。すると「これから面接を受けていく上で、あまり恋人のことはペラペラと話さないほうが良いですよ。結婚しているのなら、家族は自分の一部でもあるわけだからパブリックな場面で話しても良い。でも、恋愛関係においての恋人は他人だし、自分は自分でしかないから。」と言われた。衝撃的な言葉だったと同時に府に落ちる言葉でもあった。住んでいる場所について聞かれたのだから恋人とルームシェアしていることは言う必要がなかったのに、私はあえて恋人がいるという情報を付け加えた。私の気持ちのどこかに恋人がいることへの優越感や安心感があったことに気づき、恥ずかしくなったし反省した。
素敵な恋人がいることは、自信を与えてくれるし、誇らしく思うこともある。支えあったり、励まし合える時もある。そんな恋人をみんなに見て欲しい、認めて欲しいという気持ちが生まれるのは普通なことかもしれない。しかし恋人がいようと、自分は独立した1人の人間でしかない。SNSに恋人との写真を載せようと、恋人のスキルやビジュアルやキャリアは恋人だけのものであるし、自分のものは自分だけのものである。私はそれを理解したつもりでいたけど、心の底では理解できていなかったのだと思った。そして恋人と二人でいる自分ではなく、一人でいる自分に自信を持ちたいと強く感じた。
そんな最中に、友人から結婚の報告があった。勉強熱心で向上心を忘れない彼女が誰かと人生を共にする道を選んだのは私には予想外だった。彼女自身も結婚なんてしてやるものかと思っていたらしい。しかし彼に出会ってその考えが変わったという。彼も勉強と努力を惜しまない人で、それぞれが独立しているから結婚したいと思ったと話してくれた。カップルは2人で成り立つものではなく、1人と1人で成り立つものなのかもしれない。そんなことを考えながら、友人の結婚を祝福した2020年11月17日の夕暮れ時だった。
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