さみしがりやに ぬるくすり。
寂しい、
って感情は、いったい何処からくるものなんだろうね。
そもそも、もともと。
人間のこころに備わっているものなんじゃないのかなぁって、
気がしてくる。
そう思えれば、じゃあ身を任せてみよう。って気に
少しは、なれるのかな。
どんなに人に囲まれている人でも、人に恵まれている人でも。
心細くなるときが、あると言う。寂しさでいっぱいになるという
その気持ちを、わたしはわかる気がする。
寂しさを拭うための温度に
立場や環境は、関係ないのかもしれない。
寂しさは、さみしがりやだから。
寂しいよ、って 濡れたいろの目を伏せて。
わたしのTシャツのすそをつかんで、
夕暮れの部屋に、ずっとそうしている。
私がいるよ。
寂しさに、そう伝えても
寂しさは、ここを見ない。いつも、懐かしい場所を探している。
どこか、夜空を見つめるような、目をしている。
そんな寂しさのこころの淵を見るたびに、わたしは悲しくなる。
わたしじゃあなたを充たせない。
わたしは、居ても足りない存在なんだと思えて
自分が透明になったような気がして、途方もなく
寂しくなる。
だれかの寂しさは、だれかの寂しさを紡いでいく。
遠回りして、知ったこと。
いま目の前の存在を温められないなら、探したって
何処にも温もりなんてないんだよ。
いま目の前の、手のひらに包んで触れた、
感情が湧きいずるここ、を共有している
わたし自身をいま。
わたし自身を、金色の夕暮れ道のうえ、
ゆれる木漏れ日のなか、抱きしめよう。
星灯の下に連れ出して一緒に、ダンスでも
踊っちゃえばいいんだよ。
互いの瞳に
互いの瞳が、映っているのを
気がつけるように、なるように。