King Gnu 化物アルバム『CEREMONY』徹底一人議論
1、開会式
1分弱のインスト曲。静かなざわめきからファンファーレが鳴り、始まりを予期させ「ジャーン!」という気持ちいい音で終わる。
2、どろん
開会式の音を引き継いだ形で登場。これからぶっこみますよと言わんばかりの二人ボーカルの特大ブレスからおどろおどろしい曲調がキまる。社会に馴染もうとしていたバケモンが殻を破っていくようである。
「大都会の他愛もない大恋あ~~~~~い」 うるせぇんだよ黙ってろそんなもんどうでもいいんだと聞こえてきそうである
引けやしないんだしないんだということを強調しまくってピャーーーンで終わる
3、Teenager Forever
あれ? アーティスト変わった?
と思ってしまいそうな爽やかナンバー。小気味いいギターと嘆きのボーカルが気持ちを洗う。「他の誰かになんてなれやしないよ そんなのわかってるんだ」ここテストに出ます。
歳は食ってしまったけどいつだって青春はできるんだぞ、遅いとか言ってんじゃねぇと叫んでると思います。
2番サビ、気づけたらいいんだああああああああああああああ===あああ~~~~と叫んで急に落ち着く井口さん。急に落ち着かないでびっくりするから。と思ったら愛せなかったとしてもおおおおおおうおおおお~~~~うと叫んでデロデロデロデロデロデロデヂュウオウオデュウ~~~ンとギターまで叫んで井口さんが全力疾走して唐突に〆
4、ユーモア
あれ?アーティスト変わった? ずっと鳴ってるポロロロンみたいな音とクラップ音だけで普段朝弱いけど朝飯3杯食える。この曲は深夜の曲だけど。現状上手くいってなくてあんま寝れねぇが、まぁなんとかなるっしょという気分。だんだんユーモアを忘れかけちゃって余裕なくなってたな、こんなんじゃ上手くいくもんもいかねぇぞって自分を諫めてるようでもある。
曲が進むごとに夜がどんどん更けていってやっぱりあんまり簡単に気は晴れねぇよなってのも感じてリアル。若干の余韻を残しつつ次の曲へ。
5、白日
あ、King Gnuだ! ってぐらい売れまくった曲。最初MV見たとき歌ってる人MV出てる人は別人なんだろうなってみんなが思った曲。カラオケで二人でパート分けしても歌い辛い曲。日常を大切にしなかったら知らぬ間にヒビが入ってて取り返しがつかなかったって割とよくある失恋ソングのようだが、もう一段階進化を隠している。
今この時、別れてしまったが、リセットして再起する。でも今日だけはすぐに切り替えられないから今日だけはそっとしといてくれという歌だ。
「朝目覚めたらどっかの誰かになってやしないかな なれやしないよな」
はいここ『Teenager Forever』で出たとこです。
ラスサビ前、「そんなもんだろう うんざりするよ」ここ大好き
左右に振るぐわんぐわんという音を余韻として残しながら撤退。ここ覚えといてください
6、幕間
1分弱のインスト。引継ぎ休憩の役割。こっからもっかいかますんで今は待っといてくださいの意
7、飛行艇
あ、始まったなと思わせる最高のナンバー7。イントロで白日アウトロの左右に振るぐわんぐわん音が鳴ってるので俺は地続きと感じました。
勢いだけの始まりじゃなくて、泥臭くても周りから疎まれても確実に上がってやるという意気込みが見える。それでいて自分が世界の中心になって周りも巻き込んでやるという野望で溢れている。繰り返すフレーズが多いが、語る言葉はそんなに持ち合わせてない始まりの冒険者感がたまらなく良い。MVで仮面付けた子供が走ってたけどあれ天才。イメージががっつり一致。
アルバムCEREMONYの一番盛り上げどころはここじゃないのかな?と個人的には思っている。白日も飛行艇もCEREMONYの一部で全体が一つの作品だと思う。
8、小さな惑星
どことなく可愛らしい曲。サビでキランキランみたいな音鳴ってる。多分吹奏楽とかが使うウィンドチャイムってやつかな?可愛いね。
ちょっと上手く行き始めてるし気分も悪くない曲。寝てたいけど起きなきゃいけないし、「大きな欠伸くらい許してよ」の歌詞オシャレすぎてどこかで使いたい。
9、Overflow
なんとなく小さな惑星とセットな感じがする曲。ちょっとやり過ぎてしまっている時の曲。やる気はあるんだけど空回りして上手く行かないときって単純に経験が足りてないだけのことも多いよね。明確に恋愛ソングで、女々しい男気味の歌詞でちょっと意外だった。ラスサビ前のテレロロロロロンってギターで身体溶ける。
10、傘
え? アーティスト変わった・・・・いや、変わってないわ。
びっくりするほどダウナーでベケベケいってるベースがエロ過ぎる。なんかウェンウエンウェンみたいな謎の音も鳴ってるし、この曲、個人経営のコーヒー店で流れてるわ。
歌詞も大好き。「3回目のアラームでようやく起き上がれそうな朝」わかるわかる雨の日って低気圧で頭痛いし寝起き最悪だよね。「さよならハイになったふりしたって心模様は土砂降りだよ 傘も持たずにどこへ行くの?」なにこの瀟洒な詩。誰が考えたんだよ。やっぱりハイになったふりだったんかよ。冷静な自分も持ち合わせているのかよ。King Gnuって人間だったんだと気づく曲。
11、壇上
ボーカル変わったし流石にアーティスト変わったな・・・・King Gnu?
実質クライマックス曲。5分以上の長い曲。正直通しで聞いた一回目泣いたし今でも泣ける。美しいピアノなんだけど時に激情さも持つ。CEREMONYという劇のエンディング感もあって、サビのピアノは同じフレーズをかなり繰り返しぶっこんでくるけど心乱れる。静けさは持ちつつも徐々に盛り上がっていく。
「何も知らなかった自分を羨ましく思うかい?」
これが結構全てというか、白日とかでもそうだけど取り返しのつかない後悔とか知らなきゃ良かったってよく思うことはあるけど、そのままの自分で果たして良かったのだろうか(多分、そうは思わないと続く)。
過去の人生のあれやこれやはもうどうしようもなくて、やらなきゃよかったって知るにはやらないと駄目で。知らないままでいたとしても、どこかでぶつかることになる。それを避けるかぶつかるかどっちが良かったと思うかは結局現在の自分次第なのであろう。
12、閉会式
余韻を残しながら1分強のインストエンドロール。途中でも言ったけど全体で一つの作品になっていたと思う。King Gnuというと世間では白日の人と言われるが、個人的にはCEREMONYの人達だと思っている。もちろん現状は、の話で、今後もビックリさせてほしい。