
武装した愛
彼のパラノイアが、
火の雨を降らせる。
轟音が耳をつんざき、
熱風がアパートを燃やす。
世界に友達がいない、なんて変なこと、
彼はまた言い始めてる。
武装した愛が街を壊す。
残された壁の弾痕を、地中の地雷を、
傷ついた恋人はただ眺めてる。
彼は「正統性」を掲げ、
最前線に兵士を送る。
でも欲しいのは「理解」で、
必要なのは言葉だった。
ドローンで届ける彼のメッセージは、
けしてロマンチックな贈り物ではない。
ナイフを忍ばずオードリー・ヘップバーン、
ライフルを構えるグレゴリー・ペック、
彼が危険だと言って標的にするのは、
ドルフ・ラングレン?
それともトム・ベレンジャー?
敵なんてどこにいるんだ?
糾弾すべき相手とは誰なんだ?
周りにそんなものいないよ、
自分の中を探してごらんよ。
自分自身を変えることが、
恋人と暮らすこの世界を変えていくのに。
武装した愛が街を壊す。
残された壁の弾痕を、地中の地雷を、
傷ついた恋人はただ眺めてる。