不健全な精神は肉体を蝕む⑤
私は「愛する人とささやかでも幸せな結婚生活を営み子どもを産む」事が人生の歩み方の希望だった
そして女性と生まれたら「子どもを身ごもる事」は「当たり前に備わった機能」で「自然の摂理」だと思っていた
定期検診で子宮頚部異形成であることがわかり、「このまま子どもを産まないで死ぬのは、嫌だ」と強く思った私
とにかく、「子どもを産む事」が私の目標になった
私の希望を無理強いしたら、また夫の負担になってしまうかもしれない
自営業は不安定な生活だけれど、夫の人生の希望だ
だけれど、33歳になっていた私は、ここで頑張らなければ「子どもを産む事」が出来なくなってしまうかもしれない
医者からも「妊娠を望むなら、早急に手術を受けて、妊活に取り組んだ方がいい」と言われた
女性の年齢が上がる毎に不妊頻度や流産率は高まるし、この手術を受けても発ガンリスクがまったく無くなる訳じゃない
子宮頚部異形成になった事、そして子宮頚部の円錐切除手術する事は受け入れ難い事実だけれど、それが自分の希望を実現するためなら前向きにとらえられる
だけれど、妊娠は自分だけでは出来ない
私は夫と共に歩んで希望を叶えられるのなら、一番嬉しい
だけれど、それは私のエゴだ
「私は子どもを産みたい」「もし協力してくれないなら離婚して欲しい」と夫に伝えた
夫の答えは「協力する」というものだった
それは夫の本意ではなかったかもしれないけれど、私は嬉しかった
これで思い描いた「子どもを産んで幸せな結婚生活を営む可能性がある」と思えたから
それから不妊治療専門のクリニックに通い、いろんな検査をする事になる
手術を受けた病院の婦人科病棟は妊娠を希望する私には、残酷な場所だった
子宮や卵管の病気のために入院している人と、妊娠して出産を控えた人が隣の病室に存在する
視界に入る幸せそうな妊婦さんや生まれたばかりの赤ちゃんの泣き声は、妊娠が出来るかわからない私をいっそう悲しくさせる
2人部屋のもう一人は年上で婦人科系の病気に長年苦しみ、妊娠を諦め、子宮も卵管もすべて摘出すると言う
希望を叶えるためにここに居るけれど、「それが叶えられる保障は無い」という現実を突きつけられているように感じた
だけれど、子宮頸ガンの前ガン症状である限り、自分の生命存続の為にも手術を受ける必要がある
そんな辛い手術をしても、その後通った不妊治療専門のクリニックでの検査結果は更に私に試練を与える
夫の精子の運動率が悪い
自分は片方の卵管が閉塞している
この状況で妊娠するには、まず閉塞した卵管を開通させるための手術をする事、そして本格的な不妊治療をする事だと宣告された
次々と突きつけられる事実にくじけそうになりながら、どうにか立ち向かったのは「子どもを産んで幸せな結婚生活を営む可能性がある」と思うから
夫が協力してくれるならば、夫婦としての関係性も回復したいという気持ちもあったから
未来の希望に向かって協力しあっていた、あの付き合い始めた頃の2人に戻りたい
いくらいろいろな治療をしても妊娠する確率は低い、と言われていたけれど、2回目のタイミング法で奇跡的に私は子どもを授かった
これは本当に幸せな事だと思う
自分の気持ちに正直になり、行動しなければ、得られなかったと思う
だけれど、それからも私の苦しみは終わらなかった
その後、第3、第4の試練が続くけれど、ここでこの一連の記事を書くのは止める
何故なら、私は不幸自慢をしたい訳じゃない
私はこのnoteでは、まだこの世で頑張る必要があるから悪あがきするため、自分の今を鼓舞するために記事を書くと決めていた
過去の自分を踏まえて、これから前を向くために
ただ、この記事を書こうと思ったきっかけがある
私の経験を記事にする事で、読んだ人がそれぞれ何かを感じてほしい、と思ったから
その思いは次回に