読了「いのちの停車場」南杏子著
偶然この本のこと知り、医療系ということもあり興味を持って、読んでみた。
ストーリー
救命病棟で働いていた主人公が、ある事情で故郷の診療所で在宅医療に携わることになる。
最初は、医療環境の整っていないことや患者との向き合い方の違いに戸惑うが、在宅医療のスタッフと共に治療に奮闘する。
感想
・各章には様々な患者が出てきて、その大変さを知ることができた。
登場する患者さんたちは、回復する場合もあれば、亡くなる場合もある。
常に死を意識して、24時間駆けつけられるようにしているスタッフには、尊敬する。
・在宅医療スタッフそれぞれの家族との様子も出てきて、医療人ではなくひとりの人としての顔を見ることができた。
命を助けること、その人らしく生きるためにどう支えるかは正解はなく、とても難しい。
・主人公の父が入院をして、彼女自身が「患者の家族」としての想いを痛感し苦悩する。
私自身は30代で両親を亡くしている。
家族は少しでも長く生きてほしいと願う。
両親は延命治療は望んでいなくて最低限の治療をしていた。
心身の苦痛や不安・恐怖のなかで、毎日病院のベッドで過ごした日々。両親にとってはとてもしんどかったのではないかと思う。
弱っていく姿を見るこちらも辛い。
入院中は思い出話をしたり、感謝を伝えてくれたり、最後に話せたときは名前を呼んでもらえたことはとても幸せだった。
二人の入院中に不思議な体験もした。
二人ともあちらの世界とやりとりをしていて、私にそれを話してくれた。
虫の知らせなのか、私の予知力がはたらいたのか、亡くなる時期も予測ができていた。
二人を看取って、私の人生観はかなり変わったと思う。
この本を読んで、両親のことを思い出したり、医療について考えるきっかけになった。
良い本と出会えた!
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