ある先生に出会ったのですが‥‥‥‥‥‥②
Rさんが事務所に移る事になり、いつも事務所に居る訳ではない為、連絡をして予約する状態だった。
何も用がないが、事務所を構えたのでお祝いがてら会う事に。‥‥‥‥‥‥が、時間をRさんから指定されていたのに私達が着いた後にこちらに向かっていると連絡があった。
Rさんの事務所は2階で道路側に面する所は一面ガラス張りで、ちょっとパッと見ブティックな雰囲気がしていた。このビルは5階建てだったが、2階迄がテナントが入っていたので階段しかない。
Rさんから事務所の前の扉の所で待つよう言われていたので待っていて、階段の踊り場で待っていた時に私が下の方を見て、「意外と高いんだな~。」なんて考えていた。
そんな所にRさん登場。
私と母の姿を見るなり、大きな声で「大丈夫なの?!」と言いながらやって来た。
そして「今すぐ開けるからね。」と言って慌てて鍵を開ける。この時、1月下旬だったので外は寒いから、てっきり私達の身体が冷えきってしまっただろうと心配したのだと思っていた。
元々トイレが近い方だけど、寒い中待っていた為、トイレに行きたくて、すぐに借りた。
トイレに入るとタイルや便器などがワインレッド色で、ちょっと飲み屋に来たような雰囲気が漂う。だけど、何故か不気味なくらい心地良い。
トイレじゃなく、この中の空間が私を離さない感じ。
例えるなら、昔の怪談などで若い男性が綺麗な女性に会って美味しい食べ物やお酒を頂き、とても心地良い気分を味わう。だが、日に日に男性はやつれていき、おかしいと感じた人がその男性を見張っていたら、悪霊にとり憑かれていたといった感じの話に出てくる怪しい心地良さ。
今までに感じた事がないので、不思議に感じていた。
何故か分からないけど、Rさんが不思議そうに私を見ていた。
それで事務所を開いたお祝いに来た事を話していて、ちょっとした近況を話した後に、Rさんが険しい顔をしながら
「実はさっき、怖かったの。」と言い出した。
私が身を乗り出して下を見てるから、自殺すると思い、とっさに大声を出したという。
身を乗り出した???
そんなにやっていたつもりもなければ、死ぬ気さえない。
そう伝えたらRさんが私の顔から死相が出ていて、顔が真っ青だったらしい。
母と私は「寒い最中、外に居たからでは?」と言ったがRさんは首を横に激しく振り、「何かまずい事があったらいけないと思って、急いで扉を開けた。」という。
確かにRさんの様子がおかしかったが、正直、この事務所もおかしかった。
ちょっとした小料理屋が出来る雰囲気で、台所が道路側の反対の奥にあった。そしてこの部屋の半分を境にしたようにガラリと雰囲気が違う。
トイレも出入口の横だが、境があるようにトイレから台所の方の部屋がなんとも言えない。
人の事務所をあれこれ言いたくなかったが、話の流れで話すと「やっぱりそうなんだよね。 ( Rさんの ) 息子が荷物入れに手伝いに来て、無意識なのかあっち側 ( トイレを境にした台所がある方 ) には近寄らないのよ。」
Rさんもダメらしい。
ましてや息子さんも目に見えない存在について否定気味で、自分は何も感じないと言い張るくらいなので、黙っているのに本能的なのか、怪しい部分には近寄らないんだと黙って息子さんの行動を見ていたんだとか。
何かあるのは確か。
しかも夜になると動き出す気配がした。幸いRさんも他に仕事をしていた為、夜まで仕事は出来ないので夕方以降は居ないらしい。だけど私の言ってる事は、正しいと感じたようだ。
この事務所について話していて、私は何故かトイレが近くて入って5分くらいしか経ってないのにまた行きたくて入ったりして、自分でも分からないけどしょっちゅうトイレに行っていた。
そのせいでRさんが不思議な顔をして私を見ているのだとばかり思ったら、母もトイレを借りた後に「ちゃんと入れるのね~。」とRさんが不可思議な事を言った。
??? ちゃんとトイレに入る?
私はトイレを見ながら、「入れないトイレってあるのか?」と考えていたら、「実は私、ここのトイレに入るないの。」と話す。
??? トイレに入れない?
「‥‥‥‥ちゃんと入れますが?」と不思議に感じて話すと「私、ここのトイレに入れないのよ。ここを掃除していた時に、トイレも掃除しなきゃと思ってついでに入ったの。だけど閉じ込められて、出られなくなって。1人だから鍵を掛けてないし、扉を開けるだけなのに何故かパニックになって出られなくて、二度と出られないんじゃないかと思った。あれから怖くて、トイレに入りたい時はよそまで我慢してる。この事は誰にも言ってないのに、不思議と家族もお客さんも誰1人入った所を見てないから、初めて入っていく人を見た。」と、説明された。
なるほど‥‥‥‥‥‥どうりで、怪しい雰囲気がまとわりつくわけだわ。私の感じた事を説明すると「やっぱり‥‥‥‥。」と、確信したように言った。
母は入れるが違和感はあり、私のような心地良さは一切感じないと言う。
とにかく何故か嫌になるくらい、トイレが近くてRさんは「呼ばれてるのね。」と言った。
あの時は全然分からなかったけど、数年経ってから「そういえば、あやかしに好かれるって言われてたっけ!」と、自覚したのです。
※ 以前のブログで、神社仏閣巡りの時に神様からのメッセージで、「相変わらず、あやかしに好かれる」と言われ、驚いた事があります。
長い間、このメッセージを忘れていて色々と思い返すと、変なモノに好かれると気付く。
まさにこの一件は、自覚させられた出来事だったのです。