百合がわからねえけど百合を書く
年末に1本、掌編を書いた。
5,852 文字。
10分程度で読める軽い掌編を3日で書き上げ、12月24日クリスマスイブに公開した。
あらすじはこうだ。
ゾンビに噛まれたカップルが人生の終わりを悟り、二人の関係が始まった思い出の場所を目指す。
ゾンビ化に伴い徐々に失われていく人間の感覚に関連付けた、二人の思い出を走馬灯で披露する構成の重たい話である。
この掌編はピクシブにて2021年11月29日より開催された第4回百合文芸コンテストに提出するため書いた。
現在進行形で無職なので、ひたすらに時間がある。
じゃあコンテストに新作を書きおろして投げつけよう。
そんなイカレた考えのもとひたすら書きなぐった。
そして今も、このコンテストに投げる作品のアイデアが降って湧いたので、執筆準備を仕事探しそっちのけで行っている。
命を投げ出さんばかりの蛮行だと自覚はしている。
しかし書かずにはいられない強い衝動が私を突き動かしている。
1本書きあがるまで
四六時中、触れられる限りの百合コンテンツを浴びながら考える。
てめえが読みたい百合とは何ぞやと自問自答し考える。
散歩しながら、タバコを吹かしながら、コーヒーを淹れながら、飯を食いながら、トイレに籠りながら、風呂に浸かりながらひたすら考える。
そして頭の中に映像が流れる。
今回は荒廃した街を肩を並べて歩く女と女の姿が最初に浮かんだ。
ノートパソコンを立ち上げ、Wordに浮かんだままのイメージを書き殴る。
てんでバラバラに浮かぶイメージの欠片を忘れてしまわないように書き殴る。
半ば発狂をした勢いで書きあがったシーンとシーンを無理やり継ぎ接ぎして、小説の体裁に整える。
残った正気が囁く。
「仕事を探さなくていいのかい」
うるさい黙れ!
発狂。
タイプタイプタイプ。
完成である。
さて百合とは何だろう
女性と女性の関係の中に生ずる特別な感情だと思う。
私の性別は男である。
したがって、死ぬまで体験しようが無い感情を描き出さなければならない訳だ。
頭から血が噴き出す程、考えに考えた末に何とか形にはしているつもりだ。
第4回百合文芸コンテストの主催サイドから有難い感想(選考に関係はない)を頂けた。
百合が書けたに違いない。