シンジくんが新しい世界の創造を選べたのはなぜか
こちらの文章はネタバレ含むものとなりますので、
未鑑賞の方は絶対に読まないようにお願いいたします。================================================================================================================================================
シン・エヴァンゲリオンでシンジくんが新しい世界の創造=エヴァンゲリオンのない世界を選べたのはなぜなのか、について考えてみます。
これまで何度もループする中で一度もこの選択まで辿り着けなかったのは、シンジくんが精神的にボロボロになったあと立ち上がって、世界を見渡す、他者を思いやることができていなかったからだと思います。カヲルくんの言うリアルの中での立ち直りです。
これまでは自分のことで手一杯、精神的に納得して他者を受け入れたとしてもそれは、過去のことを受け入れるまでで、この先どう向き合うのかという未来は見えていませんでした。見えていたのかもしれないけど、実際に関わることまではしませんでした。
ですが今回は、現実世界へ見送るということまで成し遂げています。まさかシンジくんが自分の世界だけでなく他人の世界まで覗きに行って、背中を押して送り出すとは思いませんでした。
彼が一番欲しかったから、一番怖かった他人からの干渉を自分でできるようになるなんて。
これができたのは、自分は他人から嫌われているという強い自己否定が、そうじゃないかもしれないと思えたのがきっかけだと思います。
世界を見渡したら案外、みんな自分のことを見てくれていた、見守ってくれていた、好きでいてくれた。自分が顔を上げて相手を見れていなかったから気づけなかったものが沢山あったんだと。
そうして、他者と向かい合うことができたから、どうしたらこの先の未来に行けるのかを考えることができたんだと思います。
未来を見てみたくなったから、エヴァンゲリオンをなくす世界を選んだんだと思います。
今思うと、テレビ版エヴァンゲリオンの最期、父にありがとう。母にさようなら。は、さようなら全てのエヴァンゲリオンということでもあったのかなとも思いましたが、この言葉はどちらかというと今思えば。の話かもしれないです。
これはそのまま、この時のシンジくんの父と母からの精神的な自立を意味してるだけかな。