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モンテ・クリスト伯感想 9

ネタバレ含みます。

数年後

モレル氏の窮地を救った数年後に物語は移り、ようやくメルセデスの息子アルベールとフランツが登場。

贅沢と自由を満喫して育ったアルベールは、金で解決できない事は無いと信じているような男だ。ローマ旅行では美しい御婦人との一夜を夢見るが、空振りばかりで不満一杯。
貴族の息子らしい思考と行動。

2巻はルイジ・ヴァンパにもかなり費やされており、彼の人生の転機にモンテ・クリスト伯の姿が見え隠れする。

伯爵は、人生を通して人格を見抜き、復讐に必要な人物を手元に集めている。

デュマの人物の描き方は彫刻のようだ。社会や人生の中で、どう生きたのかを削り出すように描く。

一人ひとりがそれぞれの人生を、それぞれの価値観で、それが正しいと信じて生きている。

その価値観は、低俗なものから崇高なものまで様々だ。

実に良く観察されている。
非常にリアルだ。

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555字

モンテ・クリスト伯の感想です。 1巻から7巻まで、感想と個人的な思索をまとめました。

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