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雪かきと紙工作の共通点
昨日も今日も、それなりに雪が積もっている。それぞれ10cmくらい。積もっては解け、解けては積もるので、昨日10-5+今日5=10cmくらいの体感。普段なら雪かきなどしなくても駐車場に停めている車は強引に出してしまえる。
しかし、お客様を迎える駐車場となると、積もるままにしておくわけにはいかない。やっぱり「ようこそ」という気持ちを表すためにも、白い雪に覆われた黒いアスファルトの面はしっかり表出させておきたい。
そんなわけで、昨日は朝2時間、カフェの9台分お客様駐車場の雪かきを一人ですることになった。カフェスタッフたちは仕込みもあるので手を煩わせたくない。たいした積雪量ではないし、一人でもなんとかなるだろう…と。
道具はスノープッシャーただ一つ。とにかく押して押して、最後に雪を持ち上げ雪置き場に重ねる。その作業を延々としていく。広い面積をローラー作戦。端から徐々にアスファルト面が出てくる面白さはあるが、とにかく膨大なので「こんな単純作業…除雪車なら一瞬なのに」と何度も頭をよぎる。しかし除雪車は、市からの除雪命令が出るような大雪の時でもないと出動しない。今回は、雪国的には「たいしたことない」レベルである。
扱える範囲の雪の重さ
「このくらいは端っこまで押せるだろう」と思っていると、意外と途中で重くなりすぎて押せなくなる。雪だるまを作る時に、最初は小さな雪玉を片手で転がすが、大きくなると両手でも動かせなくなるほど重くなる…それに似ている。
いちいち戻るのが惜しいので、ベストな押せる幅(昨日は大体15〜25cmくらい)をローラーしていく。最初は15〜25cmでも、雪置き場の手前まで行くとスコップ(プッシャー)の中の雪がいっぱいで、進めば進むほど溢れて取りこぼしてしまうくらいになる。そのギリギリを狙う。何度も行き来する。
小康状態、雪が止んでいれば一気にアスファルト面を出せるが、パラパラと降り続く時間にこの雪かきをすると、綺麗にした黒いアスファルト面がまたうっすらと白みを帯びてきて、最後は白くなる。広いスペース、雪をかいたあとを振り返ると、見事なまでの白に向かうグラデーションができている。ようしゃないぜ雪。それにうんざりもするが、だんだん楽しくなってくる。
これ、紙と同じ。
そう、これ、紙と同じなのだ。1枚1枚は、感じられないほど軽いけれど、数百枚にもなればそれなりに重い。1枚1枚、1かき1かきやっていく。後から雪は降ってくるけど、そのほんの少しでもかかれた雪は確実にそれなりの質量があるのだ。だから無駄ではない。…こまめに雪をかくのは、無駄な作業のようだが実はとても着実な方法なのだ。
そういえば、今日は一休さんの日らしい。私が好きだったテレビアニメ一休さんで放送された「さかだちと力じまん」の中の、餅の話をすごく覚えている。
力自慢の大男と一休さんが、蒸した米をつぶし、滑らかな糊餅を作るというもの。
大男は、臼の中に蒸し米を一度に入れ、自慢の力で豪快につぶしはじめます。
一方、一休さんは小さなへらを使い、蒸し米3つくらいを摘み上げて、少しずつつぶしはじめます。それを周囲の人々はあまりの膨大な作業量に笑うのですが、出来上がってみると、一休さんの方は滑らかな糊餅が出来上がり、大男の方はいつまでもご飯粒が残って滑らかな餅にならなかったという話。
得意の力で一気にやるのは効率良いように感じますが、本当に美しくやりたい場合は少しずつの積み重ねが大切…という教訓をえるお話でした。
普段から、繰り返しやらねばならないような作業は、この話を思い出して愉快にやることにしている。今回もそうだ。日々のデザインや紙工作も同じ。一つ一つはとてもたわいない。でも、その積み重ねをしっかりしていけば、後から見ると揺るぎない力になっているはずだ、と思う。そっか、今日は一休さんに感謝する日だな。
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さてと、そろそろお仕事の時間! そしてまた雪かき!
よい働きができますように〜。