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書く。

ある人の家庭教師をしている。
最終的な目標は「とある就職試験に合格させること」

姉曰く、彼は発達障害だそうだが、
私から見て障害というほどの障害は見当たらない。
思うに、彼は「知らない」だけなのだ。
世間一般で言うところの毒親。
受けるべき愛情も、与えるべき愛情も知らなかった。
だから、上手なコミュニケーションの取り方もわからない。
結果、彼は一人ぼっちでここまでの人生45年間を過ごすこととなった。

聞けば、それなりに仕事はしてきたそうだ。
だが、どこに行ってもイジメに遭ってしまう。
45にもなる男性をイジメる職場とは、どんな環境だろうか。

そんな彼に、課題を出した。
「今思っていることを、毎日日記に書きなさい。」

彼に自信がないのは、きっと自分の言葉がないからだ。
自分が考えていることを、イメージして言語化する。
コミュニケーションの第一歩は、簡単でとても難しい。
だから、それを毎日の課題とした。

言葉は、使わなければ錆びてしまう。
感性はいずれ歳を取り、同じ景色をあの日と同じように
感じることはないだろう。
だからこそ、自分にも課題を与えたいと思う。
毎日、こうして文章を綴るということを。

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