笑顔のおしごと #8
「誰かを笑顔にする仕事」ってよく耳にしますよね。
誰かを笑顔にする仕事がしたいとか、誰かを笑顔にする仕事がかっこいいとか、素敵だとか。
私の母は、これなのかもしれません。
さて、今回はハンドメイドというものに着目した記事となっております。
サッポロモノヴィレッジも終わり、私の研究内容にも少し重なるところがあったので、思い出半分考え半分で聞いていただければと思います。
禾田家の母
「お母さん、なにやってるの?」
私が小さい頃からずっと、回答に悩みに悩みまくった質問です。
禾田家のお母さんはビーズアクセサリーの講師やらハンドメイド作家やらをしています。……が、毎月決まった収入があって税金を納めているわけではないので、名目上は専業主婦です。
学校に提出する家庭調査票なんかに家族の職業を書く欄があり、毎年どうしよう……と悩み、自信なさげな字で「専業主婦」と書いたり、空欄で出したりしていた記憶があります。
ファミリーカーであっちこっち
そんな母は道内でワークショップのイベンドがあれば、しょっちゅう参加しています。
私が幼い頃は地元を中心に参加していたのが、気付けば札幌や函館といった中心街へも出向くようになりました。
今回のサッポロモノヴィレッジも札幌ドームでのイベントだったので、現地集合でお手伝いをしてきました。ガクチカという名のおうちのお手伝いです。
笑顔にする仕事
母自身、これを生業としているわけではないので仕事というのが適切かどうかは定かではありませんが、誰かを笑顔にしていることに変わりありません。
やっている人も、それを見ている人も、その光景を見た私たちも。
十人十色の作品を見てまた笑顔が生まれます。
でも、笑顔ばかりではありません。
準備の段階であれこれ悩む母の姿も知っているし、自分の財布と相談して泣く泣く諦めて帰っていく子や、親にダメだと言われ涙目で立ち去る子もいます。
私は、それも含めて『特別な経験』として、研究をしていきたいと考えています。
社会福祉学を踏まえて
大学では社会福祉を学んでいるため、貧困がどうとかっていうのはある程度知っているつもりです。
私たちが日ごろ当たり前だと思っていることができない人もいて、今日を生きるのに精いっぱいだということを学んでいます。
ゼロからプラスに
私はそういった方に対する支援を「マイナスからゼロに戻す支援」だと捉え、私がやりたい支援は「ゼロからプラスにする支援」だと感じています。
このワークショップが好例です。
別に、この体験自体はあってもなくても、生きていく上では何も困りません。ただ少し幸せが増えるだけです。
その、少し増えた幸せに可能性を感じています。
これもまた特別な経験
私のこの考えは、母のおかげでできた特別な経験がきっかけです。
ワークショップに参加することでできる特別な経験を、すぐ隣で見られるというこれもまた特別な経験なのです。
私はこれを何かに活かしたいと常々思っています。
おしゃべりで、内緒が苦手で、共感してもらいたい私だから、この特別な経験を誰かに教えてあげたいんだと思います。
それで、誰かの人生が少しプラスになれば、私も私で少しプラスになるわけで。
大学の研究というにはあまりにも稚拙で抽象的ではありますが、社会学や社会福祉を学ぶ上で、人と人とのやりとりであるワークショップというのは近からずも遠くないところに位置するものだと感じています。
まとめとあとがき
高校生の頃、大学受験をするにあたってボランティア活動をしておいた方がいいと知ったものの外部でやるのはなぁ……あ、母さんがいるじゃないか、と母をいいようにつかってしまったのをきっかけに、今でも定期的にお手伝いをしています。
大変なこともありますが、楽しいんですよね。全部。
10年前の自分を見ているような気分になりながら、自分が大人になっていくことを実感させられます。
母のおかげでピアスとイヤリングの付け替えは無料でできるし、ネックレスやブレスレットの手直しは自分でもできるし、コーキング剤のシリコンも上手に絞れます。
果たしていつ役に立つんだ、というものも混じっていますが、私にとっては自慢にもネタにもなります。「お前の母さんって何者!?」っていうのもまた、持ちネタのひとつですね。
大学生になり、禾田家は面白いだのうらやましいだのと言われることが格段に増えました。謙遜なんてしませんよ、こんな禾田家に生まれたことを誇らしく思ってますので。
今回の記事は少し悩みながら書きました。
今のところいいペースで更新できているので、途切れることなく頑張りたいと思っています。
次はどんな記事を書こうかな。
何か特筆すべき出来事がなくても、考えをつらつら書くだけの記事もあってもいいかなと思っています。
禾田。